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神経質で心配性な人ほど良いアイデアを思いつきやすいぞ!という話

Newton

 

科学的に信頼のおける「性格テスト」の筆頭に「ビッグファイブ」ってのがありまして、このなかで割と日々の幸福への影響がデカいのが「神経症傾向」。その名のとおり、日常的な不安や緊張の感じやすさを表わす尺度で、この数値が高いほど精神病にかかりやすく、仕事のプレッシャーにも弱いことがわかっております。

 

 

というと何も良いところが無さそうですが、新たに出た意見記事(1)では「神経症傾向は創造性が高い!」って仮説が提示されておりました。

 

 

これはキングス・カレッジの研究で、神経症傾向を持つ人の脳を調べたところ、おデコの裏にある内側前頭前皮質がつねに活性化してたんだそうな。ここは、敵が襲ってきたときや何らかのトラブルが起きた際に動き出すエリアでして、つまり神経症傾向の人はリラックス状態のときでも脳が警戒モードに入りっぱなしらしい。

 

 

そのため、神経症傾向の頭のなかには、いつも「敵に襲われたらどうしよう…」といった自動思考が発生。おかげで何も起きてないときでもネガティブな感情に襲われてしまうんだとか。これは難儀ですなぁ。



もっとも研究者いわく、神経症傾向が良いアイデアを思いつきやすいのは、この「考えすぎ」な傾向のおかげなんだそうな。

 

神経症傾向の人間は、問題が目の前にないときでも解決にこだわり続ける。いっぽうで楽天的な人間は、今の瞬間に生きる傾向が強い。どちらが良いアイデアを思いつけるかは明白だろう。

 

実際、極端に神経質な性格で有名だったニュートンも、こんな言葉を残してるとか。

 

わたしは絶えず課題に取り組み続けている。そして、ゆっくりと解決の糸口が現れ、少しずつ明確な姿を見せ始めるまでひたすら待ち続けるのだ。

 

神経症傾向の人は、とにかくアイデアが出るまで問題に取り組む脳を持ってるわけですね。良く言えば粘り強く、悪く言えば偏執的。確かにダーウィンとかベートーベンとか、神経症の偉人も多いですからねぇ。

 

 

そんなわけで神経症傾向にお悩みの方は、まずは自分の性格をグリットの一種として捉え直してみると、ネガティブな感情を抑えて強みを活かせるかもしれません。自分の神経症傾向が気になる方は、「簡易版ビッグファイブテスト」をお試しあれー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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