食べてないのに痩せない!→実は前より食ってる「なぜ体重は減らなくなるのか?」#4
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/07/4.html?m=0
同じ量の食材でもカロリーの差はすごい
「なぜ体重は減らなくなるのか?」シリーズの4回めです。前回は無意識のうちに活動量が減っちゃう問題についてでしたが、今回は「無意識に食事量が増えちゃうケース」について。体脂肪が減ると食欲をおさえるホルモン(レプチン) の量は減りますんで、当然ながら食欲は激しくアップ。そのせいで、自分ではちゃんと食事量をおさえているつもりでも、実は無意識のうちにカロリーが増えてたりするんですな。
というと「いや、自分は食っていない!絶対に!」と言われることも多いんですけど、カロリー計算には激しく誤差が出やすいのは「ファミレスやコンビニ弁当のカロリー表示はどこまで正しいのか?」にも書いたとおり。厳しくカロリーをコントロールしたつもりでも、実は大幅に食い過ぎてたなんてケースはよくある話であります。
なんでそこまでカロリー調整が難しいかというと、第一に、たいていの栄養プロファイルは大まかな平均値しか使ってるから。たとえば、
- 同じサイズのイモ類でも、実際のカロリーには250〜700kcalぐらいの開きが出るケースもある(1)
- 同じひとにぎりの量のナッツでも、実際の総カロリーには60kcalぐらいの差が出ちゃうのが普通(2)
- 同じ重さの食肉の場合、見た目の大きさが同じでも200kcalぐらいの誤差は普通に出る(3)
みたいな感じ。この誤差が積み重なって、1日の終わりにはどえらい量のカロリーになってたりするわけですね。おそろしや…。
料理法や見積もりの甘さでもカロリーは増える
それにくわえて、料理によっても人体に吸収されるカロリーが増えるのも大きなポイント。とくに脂質が豊富な食材ほど加熱で吸収率がよくなりまして、- 肉類→焼くとで50kcalぐらい増える
- 卵→熱をくわえると30kcalぐらい増える
- イモ類→加熱で90kcalぐらい増える
といった感じになっております(4)。これまたかなりの誤差ですねぇ。
さらに、もっとも誤差が大きいのが、人間の「食事の量の見積もり」の甘さ。1982年の調査(5)なんかだと、たいていの人は実際の食事量を70%近い確率で間違えてまして、
- デザートで150kcalぐらいの誤差
- 乳製品で100kcalぐらいの誤差
- オイルなどで120kcalぐらいの誤差
- 炭水化物で100kcalぐらいの誤差
といったレベルの見積もりミスをつねにやらかしてるらしい。
まとめ
以上の話をざっくりまとめると、- そもそも食品のカロリーデータに誤差が大きい
- 料理法によってもカロリーの吸収率が変わる
- 人間は食事の量を見積もるのが超ニガテ
みたいな要素があわさって、「自分はあんまり食べてない!」といった印象を作り出してるわけですね。
そんなわけで、ダイエット中の「食べてないのに痩せない!」は、まず信用できない可能性が大。とくにカロリー制限中は、どうにかして脳がカロリーを増やそうとがんばりますんで、知らず知らずに食っちゃってるケースが多いんですね。
この問題を完璧にふせぐ方法はありませんが、本気で対策を取りたいならクッキングスケールで精密に食事量を計るしかないかも。とはいえ、そこまでやると「人生楽しいの?」って感じになりかねないんで、個人的には「カロリーの質が高い食事」に気を配って、長期的に食欲を減らしていくほうをオススメしますけどね。