3カ月でメタボをガッツリ改善「食事の質を上げるための7つのルール」
低脂肪食 VS. 糖質制限!メタボに効くのはどっちだ!
拙著「パレオダイエットの教科書」で死ぬほどくり返して書いたのが、「食事の質を上げようね!」って話です。
これは、高級なオーガニック野菜や肉を買おうって意味ではなく、とにかく自然に近い食品ほどカロリーと栄養のバランスがいいよねーみたいな話。食事の質の重要性にくらべれば、糖質や脂肪のバランスなんてのは屁みたいなもんです。
ってことで近ごろ面白かったのが、ベルゲン大学から出た論文(1)であります。タイトルを意訳すると「低脂肪食 VS. 糖質制限!メタボに効くのはどっちだ!」みたいな感じ。
食事の質をコントロールしたらどうなる?
低脂肪食と糖質制限の効果をくらべた実験は過去にもいっぱいあるんですが、今回のデータが新しいのは「食事の質」をコントロールしたとこ。実は従来の研究って食事の質を無視するケースが多かったせいで、
- 低脂肪食グループ=加工された糖質や砂糖入り食品は制限せずに食いまくり
- 糖質制限グループ=精製された糖質の量を食べないので、自然と食事の質が高くなる
っていう傾向があったんですよ。これは不公平なんじゃないかってことで、今回の実験にいたったわけですな。
低脂肪食 VS. 糖質制限で12週間の結果を比べた
参加者は44人の男性で、年齢は30〜50才。みんな肥満体型で、ウエストが98センチ以上のバリバリメタボな人を選んだらしい。
で、まずは全員を2つのグループにわけまして、
- 低脂肪食=糖質53%、脂肪30%
- 糖質制限=糖質10%、脂肪73%
といった食事法を割り当てたんですね。いっぽうでタンパク質と1日の総カロリーは、両グループで同じに調整しております(それぞれ17% & 2100 kcal)。
食事の質を上げるための7つのルール
さらに、全員には「食事の質」を高めるために、以下のルールを設定したみたい。
- 水素付加したサラダ油は使わない(大豆油とかコーン油みたいなやつね)
- 砂糖、または砂糖が添加された食品は避ける
- 加工食品は可能な限り減らす
- オメガ6が多い商品はできるだけ減らす
- 1日に500グラム以上の野菜、ベリー類、フルーツを摂る
- フルーツよりも野菜を重視する
- 週に2度は魚を食べる
というわけで、「パレオダイエットの教科書」で書いた食事ガイドラインに近い内容になっております。まぁ、健康に良い食事を詰めてくと、自然にこうなっていくんですよね。
やや低脂肪食が優勢ながら両グループとも同じぐらい健闘
さて、12週間後の結果がどうだったかというと、
- ウエストサイズは低脂肪食の勝ち (12センチ vs. 10センチ)
- 腹部脂肪の減り方も低脂肪食の勝ち(23% vs. 17%)
- 内臓脂肪の減り方も低脂肪食の勝ち(23% vs. 17%)
- LDLコレステロールも低脂肪食のほうが減少
- 血圧、中性脂肪、安静時血糖値、インスリン抵抗性は両グループとも同じぐらい改善
みたいな感じ。細かく見ると低脂肪食のほうが優秀な結果ですが、統計的にはそこまで騒ぐほどの差じゃないかなーって印象であります。
まとめ
研究者いわく、
食事の加工レベルを下げた場合は、カロリー源が糖質だろうが脂肪だろうが、3カ月が過ぎても内臓脂肪とメタボの改善に大きな差はでなかった。
とのこと。食事の質さえコントロールすれば、糖質や脂肪の割合は関係ないんじゃない?って感じっすね。
というわけで、まずは食事の質を上げようね!というお話でした。この実験で使われた「食事の質を上げるための7カ条」を、パレオダイエットの入門用としても活用するのもアリですねー。