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自分の目的にあった瞑想テクニックの選び方

Meditate

4タイプの瞑想の効果をくらべてみた 

瞑想の種類によって得られる効果が違うよ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。

 

  

これはマックスプランク研究所の実験で、瞑想ビギナーな男女229名を対象にしたもの。まずは全員に4つのタイプの瞑想を教えたんですね。

 

  • ヴィパッサナー瞑想:「心の動き」や「思考」を瞑想の対象にする方法。「考えている」「怒りがわいた」「雑音が気になる」など、自分の意識の変化をかたっぱしから実況していく。くわしくは「呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想」を参照していただくといい感じ。

  



 

 

1日30分の瞑想を9カ月

実験期間は9カ月で、参加者は以下の3グループにわけたらしい。

 

  1. 呼吸&ボディスキャン → 慈悲の瞑想 → ヴィパッサナーの順番で、3カ月ごとに瞑想の種類を切り替える
  2. 呼吸&ボディスキャン → ヴィパッサナー → 慈悲の瞑想の順番で、3カ月ごとに瞑想の種類を切り替える
  3. 慈悲の瞑想だけを3カ月行う

 

さらに具体的なメニューとしては、

 

  • 瞑想は週に5回のペースで行う。1回のセッションは30分
  • 3カ月ごとに研究所に行き、3日間泊まり込みで瞑想の集中セッションを行う

 

みたいな感じ。わりと一般的なプロトコルになっております。

 

 

どんな瞑想でも似たような効果は出るが…

そして、セッションごとに参加者の気分や認知を計測したところ、だいたいこんな結果になりました。

 

  • どの瞑想でも、ポジティブな気分や活力、集中力、マインドフルネスレベルはそこそこアップする(19点を「最高の状態」とした場合に、0.5〜2ポイントぐらいの上がり幅)

 

どんなタイプの瞑想でも、3カ月も続ければ似たような効果はあるんだ、と。にしても、0.5〜2.0って上がり幅は「瞑想は人生を10%だけ幸せにする」と見積もったダン・ハリスさんの実感と似てますな。

 

 

瞑想の種類によって結果が違った

もっとも、瞑想の種類によって結果には差がありまして、

 

  • 呼吸&ボディスキャン瞑想を行うと、頭に浮かぶ思考の量が減りやすくなる。特に、未来への不安や過去への後悔といった、ネガティブな思考が浮かびにくくなる
  • 慈悲の瞑想はポジティブな思考と感情を強化しやすいが、他の瞑想よりもネガティブな思考が浮かびやすくなる。
  • ヴィパッサナー瞑想は客観性やメタ認知が強化されやすい。

 

みたいな感じ。わりと納得の結果じゃないでしょうか。

 

 

まとめ

研究者いわく、

 

瞑想系のメンタルトレーニングは、その種類によって、異なる精神機能を使っている。それぞれの瞑想は、独自の精神状態を作り出しているようだ。

 

とのこと。もうちょい長期の実験は必要かと思いますが、ざっくり言えば、

 

  • ネガティブな感情や思考に困ってる人=呼吸瞑想&ボディスキャン
  • 幸福感をアップさせたい人=慈悲の瞑想
  • 判断力を高めたい人=ヴィパッサナー瞑想

 

みたいな感じでしょうか。もちろん「何らかのメリットを求めて瞑想するなんて邪道!」というご指摘もありましょうが、私は「別にいいんじゃないすか」派です。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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