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人生の幸福感を高めやすい性格のトップ5とは?

Happy

 

幸福になるために必要な性格とは?

心理学の世界では「幸福になりやすい性格ってあるの?」ってのが昔ながらのテーマ。そこで出てくるのが、当ブログではおなじみのビッグファイブであります。

 

 

ビッグファイブは人の性格を5つに分類したモデルで、いろんな実験で予測力の高さが明らかになってるんですね。もっと詳しくは「5分で自分の正しい性格を把握する『簡易版ビッグファイブテスト』」などをどーぞ。

 

 

さらに、ビッグファイブと幸福の関係もよく確認されていて(1)、

 

  • 外向性が高い!
  • 神経症傾向が低い!

 

の2つが大事だって結果がくり返し出ております。要するに、活動的で社交的で感情が安定している人は幸福度が高いんだって話ですね。見事に私のビッグファイブとは真逆の結果で嫌になっちゃいますが(笑)



 

 

 

ビッグファイブの要素をさらにわけてみた

もっとも、ビッグファイブだけで幸福を予測するやり方には批判もあります。ざっくり言うと「ビッグファイブは大きなフレームワークとしてはいいんだけど、もうちょいきめ細かく見ないと役に立たなくない?」みたいな感じ。確かに、「社交性と感情の安定が大事!」と言われても、「じゃあどうすりゃいいのよ?」って気分になりますからね。

 

 

 ってことで新たに出た論文(2)では、さらにパーソナリティを細かくわけたうえで、幸福度との関連を調べてくれております。

 

 

ビッグファイブのサブカテゴリとは?

具体的には、まずビッグファイブをいくつかのサブカテゴリに分類したんですね。

 

  • 外向性
    • 熱意:友好的で感情表現が豊かで、報酬を喜ぶかどうか
    • 自己主張:支配的で、報酬でモチベーションが上がるかどうか
  • 神経症傾向
    • 自閉性:不安や鬱の影響を受けやすく、自意識が強いいかどうか
    • 変動性:怒りやイライラの影響を受けやすいかどうか
  • 誠実性
    • 勤勉さ:目標志向、セルフコントロール力など
    • 統制:決まりごとや秩序を重んじるかどうか
  • 調和性
    • 慈悲:他人の苦しみや幸福に共感できるかどうか
    • 礼儀:他人に尊敬心を持って交流できるか
  • 開放性
    • 美的好奇心:クリエイティブか、または美しいものや空想を好むかどうか
    • 知的好奇心:知的な能力、または知的な活動を好むかどうか

 

どのカテゴリも過去のパーソナリティ研究(PERMAとか)をベースにしていて、ビッグファイブとの関連もある程度は立証されております。こうして見ると、確かにひとことで「外向性が大事!」といっても「熱意」と「自己主張」では、幸福度に差が出てきそうですよね。

 

 

ヒトの幸福を大きく左右する要素、しない要素

で、この研究では、以上のサブカテゴリをもとに700名の幸福度データと比較。そのうえで、どの要素がもっとも幸福を高めるのかを調べたんですね。

 

 

▼幸福度を決める要素トップ5

まずは人間の幸福を高めるトップ5の要素から。

 

  1. 熱意
  2. 自閉性が低い
  3. 勤勉さ
  4. 慈悲
  5. 知的好奇心

 

▼幸福度とあんま関係がない要素

続いて、あんま幸福度に関係がなかった要素。

 

  1. 自己主張
  2. 美的好奇心

 

 

▼幸福度とまったく関係がない要素

最後に、幸福度とはまったく関係がなかった要素です。

 

  1. 礼儀
  2. 統制
  3. 変動性

 

ってことで、非常に参考になりますねぇ。過去のデータだと、収入やメンタルヘルスについては「誠実さ」と「開放性」が大事って研究が多いんですが、こと幸福度のブーストについては熱意と自閉性の低さが大事みたい。

 

 

もちろん、これらは外向性と神経症傾向の一部なんですけど、いっぽうで同じサブカテゴリにある「自己主張」と「変動性」の2つは幸福をあまり左右しないってがおもしろいところ。この結果を使えば、

 

  • 自分のネガティブな性格に困っている人の場合:アンガーマネジメントよりも先に、不安や鬱の対処法を学んだほうが幸せになりやすいわけですな
  • コミュニケーション下手な人の場合:自己主張のスキルよりも先に、豊かな感情表現を意識したほうがいい

 

みたいに具体的な指針を立てやすくなるかと思います。

 

 

まとめ

こうなると、あとは「パーソナリティをどう変えるか?」って問題になりますが、以前に紹介したデータでも「自閉性は変えやすい!」って傾向があるのは間違いなさそう。具体的な方法としては、「if-thenプランニング」などの手法を使って少しずつ望ましい行動を増やしていくのが現時点ではベストでしょう。

 

 

実際、私のように神経症傾向の数値がバカ高い人間でも、いろんな訓練のおかげでわりと幸せに暮らせてるわけですからね。今回の結果をもとに、自分の幸福に必要な要素を伸ばしていっていただければと思います(時間はかかりますけど)。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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