いくら勉強しても結果が出ない!を解決する「戦略的リソース利用法」
勉強しても成績が悪いのはなぜか?
「あんなに勉強したのに成績が悪かった!」って経験は誰にもあること。しかし、それは勉強の量が問題なのではなく、「学習前の戦略ができてないからだ!」と指摘する良い論文(1)が出ておりました。
これはスタンフォード大学の実験で、「他人より能力が低いわけでもないのに成績が低い生徒はなにが悪いのか?」って問題について調べたものです。
戦略的リソース利用法を使ってみよう!
具体的にはテストをひかえた学生に協力をお願いして、1週間前に以下のような指示をしたんだそうな。
- 勉強前に「テストでどれぐらいの成績が欲しいか?」を紙に書く
- その成績が自分にとってどれだけ重要かを100点満点で採点する
- その成績を取るのにどれぐらいの自信があるかを100点満点で採点する
- テストにどんな問題が出そうかを紙に書き出す
- 勉強に使えそうな資料や参考書を最大15個にまでしぼり込んで紙に書き出す
- なぜその資料や参考書が使えると思ったかを紙に書き出す
- その資料や参考書をどのように使うつもりかを紙に書き出す
事前に「そもそも何のためにテストをするの?」ってとこをハッキリさせたうえで、さらに使えるリソースを明確にしたわけですね。研究チームは、この手法を「戦略的リソース利用法」と呼んでおります。かっこいいっすな。
たった1週間で成績が4.65%アップ
で、実際の成績がどうだったかと言いますと、
- 「戦略的リソース利用法」を使った学生は、それ意外の学生よりも平均4.65%点数が高かった!
- テストのストレスも激減した!
って感じ。ほんの1週間でこの成果ですから、年間を通して続けたらすごい差が出そうですな。
研究者いわく、
たくさん勉強するだけでは意味がない。本当に大事なのは、リソースを効率的に使うことだ。
たった15分ほど「戦略的リソース利用法」を行うだけでも、必要な資料や参考書を効率的に使えるようになった。要するに、ちゃんと努力を結果につなげやすい状態に変わったのだ。
とのこと。これは非常によくわかる話で、つまりは「メタ認知」に効いてるんでしょうな。
自分のポテンシャルを活かせる人と活かせない人の違い
メタ認知は「思考についての思考」のことで、作業効率の向上には欠かせない能力のひとつ。言われてみれば私も似たようなことをしてまして、作業の前とかは「タスクを終えるために何分かかると思うか?」や「資料をどのように使うか?」はしっかり考えとくようにしております。
最初はめんどうなんですけど、こっちのほうがストレスがないんで最終的にはラクなんですよねー。前に紹介した「メタ認知的読書術」なんかも似たような話ですな。
同じような能力や努力をしていても、戦略的な思考があるかないかで大きな差がつく。これこそが、自分のポテンシャルを活かせる人と活かせない人の違いだ。
まずは、自分の努力をいかに効率よく運用するかを考えてみよう。
ってことで、学生にも社会人にも使えそうな教えでありました。さっそく使ってみよう。