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筋トレメニューは好きに選んだほうが筋肉は60%も増えやすくなる!説

 Streangth

 

筋トレはいろんなエクササイズをすべき?

筋トレの世界では、よく「筋肉のグループごとにいろんなエクササイズをすべき!」といったアドバイスを聞くわけです。たとえば、足の筋肉であれば、スクワットやレッグエクステンション、レッグプレスといった異なる種目をほどよく組み合わせるのが大事なんだ、みたいな。

 

 

この説が事実かどうかは難しいとこですけど、近ごろ出た論文(1)だと「筋トレの種目は本人の好きに選べばいいんじゃない?」って結論になっててナイスでした。



決められたエクササイズ vs. 自由に選んだエクササイズ

これはタンパ大学の実験で、32人の筋トレ好きが対象。だいたい体重の1.3倍以上の重さでベンチプレスができる人を選んだらしいので、筋トレ好きとしては中級レベルっすね(スクワットは1.75倍を目安にしたらしい)。

 

 

実験期間は9週間で、全員にどんなトレーニングを指示したかと言いますと、まず栄養のガイドラインはこんな感じ。

 

  • 1日のトータルのタンパク質量は体重(kg)×1.5gにする

 

さらに、エクササイズの概要はこんな感じ。

 

  • 筋トレは週3回で、週の1回目は6〜8RM、2回目は12〜14RM、3回目は18〜20RMの重量で行う(RMの意味がわからない方は「タンパ式筋トレプロトコル」を参照)
  • セット数は3週間おきに変わり、最初の3週間は各エクササイズごとに4セット。4〜6週目は5セット、7〜9週目は6セットを行う

 

で、実験では参加者を2つのグループにわけまして、

 

  1. 固定グループ:決められたエクササイズ内容をこなす
  2. 自由グループ:自分の好きなエクササイズをこなす

 

といった具合にトレーニングの内容を変えたんですな。

 

 

固定グループの筋トレメニュー

具体的には、固定グループのトレーニングメニューは以下のようになっております。

 

 

▼固定グループのトレーニングメニュー

  • 週の1回目
    • スクワット
    • バーベルベンチプレス
    • ベントバーバベルロウ
    • ミリタリープレス
    • ダンベルカール
    • ケーブルプレスダウン
 
  • 週の2回目
    • レッグプレス
    • ダンベルインクラインプレス
    • 懸垂
    • ダンベルラテラルレイズ
    • プリーチャーカール
    • ダンベルインクラインスカルクラッシャー

 

  • 週の3回目
    • レッグエクステンション
    • ケーブルフライ
    • ラットプルダウン
    • ケーブルフェイスプル
    • ダンベルインクラインカール
    • ケーブルトライセップエクステンション

 

 

筋トレに大事な6つの筋肉グループ

ダラダラとトレーニングメニューを並べてみましたが、ここでのポイントは、6つの筋肉グループごとにエクササイズを配分してるとこ。くわしく言うと以下のような感じ。

 

 

▼6つの筋肉グループ

  • 足グループ:スクワット、レッグプレス、レッグエクステンション
 
  • 胸グループ:バーベルベンチプレス、ダンベルインクラインプレス、ケーブルフライ
 
  • 背中グループ:ベントバーバベルロウ、懸垂、ラットプルダウン
 
  • 肩グループ:ミリタリープレス、ラテラルレイズ、ケーブルフェイスプル
 
  • 力こぶグループ:ダンベルカール、プリーチャーカール、ダンベルインクラインカール
 
  • 二の腕グループ:ケーブルプレスダウン、ダンベルインクラインスカルクラッシャー、ケーブルトライセップエクステンション

 

 

つまり固定グループは、研究者が決めたエクササイズの順番どおりにトレーニングをしてもらったのに対して、自由グループは「6つの筋肉グループさえ鍛えられれば何をしてもいいよー」と指示したわけです。たとえば、足グループだと週3回すべてスクワットをやってもOKだし、胸グループならすべてベンチプレスでもOK。

 

 

筋肉量&筋力ともに自由グループの勝ち 

さて、9週間後には以下のような違いが出ました。

 

  • 自由グループは、固定グループより63%ほど筋肉の増え方が大きかった!(1.6 kg vs. 0.98 kg)
  • スクワットやベンチプレスの筋力も、自由グループのほうが発達していた(6.48% vs.5.14%)

 

というわけで、筋肉量&筋力ともに自由グループのほうが上という結果になっております。

 

 

なんでこういう違いが出たかは不明なんですけど、データを見てると、シンプルに自由グループのほうがトレーニングボリュームが増えたのが原因っぽい。というのも、自由グループの数値が573,288kgなのに対して、固定グループは464,600kgだったんですよ。

 

 

中級レベルの筋トレ好きにとって、トレーニングボリュームが超大事なのは以前にも書いたとおり。普通に考えれば、エクササイズを自由に選んだぶんだけボリュームが増えたのかなーと思われるわけです。

 

 

まとめ

ただし、これは小規模な実験ですし参加者のドロップアウト率も高いんで、たんに検定力が足りないだけの可能性がなきにしもあらず。あくまでも可能性の話として、割引いてお読みください。

 

 

とはいえ、他人に見せるための体作りを目指すんでなければ、「6つの筋肉グループさえ鍛えられれば、どんなエクササイズでもOK」ってのは、過去のデータに照らしても正しいような気がいたします。中級ぐらいの筋トレ野郎は、細かいエクササイズよりも筋肉グループを意識したほうがメリットは大きいかもですねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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