より健康な心臓を作るために「感謝」が効くかもよ
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ネガティブな感情は心臓に悪い。じゃあ、ポジティブな感情はどうなの?
ネガティブな感情が心臓に悪いってのは有名で、1959年に「タイプA性格」(せっかちで競争好きなキャラ)って考え方が生まれてから何度も実証されてきた話(1)。怒りや不安を感じる回数が多い人は、そうでない人にくらべて2倍も心疾患にかかる確率が高いんですな。が、まだよくわかってなかったのが「逆にポジティブな感情は心臓にいいの?」って問題。いちおう「幸福な人ほど長生きだ!」ってデータ(2)があるいっぽうで、「たんに統計ミスだ!」って反論もあったりして(3)、意外とよくわかってなかったりするんですな。
感謝の心で炎症と心臓が改善する?
ってとこで新しい論文(4)では、「感謝の心で体内の炎症が低下!」って結果が出てておもしろいです。これはカリフォルニア大学の実験で70人の男女が対象。まじは全員を2つのグループにわけまして、
- 感謝日記をつける
- なにもしない
って作業を8週間ほど続けてもらったんだそうな。「感謝日記」ってのは「その日にあった感謝したいことを2〜3つずつ記録する」って手法で、さらにくわしくは「ポジティブ心理学の超定番「三行日記」の科学的根拠と実践法」などをどーぞ。
で、そのうえで全員の身体検査をしたところ、感謝日記を続けた人は、
- 体内の炎症マーカーが減少!
- HRV(心拍変動)が増加!
って結果が出たんですな。心拍変動は心拍数のゆらぎを表わす数値で、心臓の異常がわかるのはもちろん、心拍変動が高いほどストレスに強くなったり、意志力がアップしたりと、メンタルにも多大な影響があることがわかっております。
いっぽうの炎症は当ブログでおなじみで、あらゆる病気の原因になっちゃう恐ろしい状態。「パレオダイエットの教科書」も、「まずは炎症を減らそう!」が大きなテーマになってたりします。感謝の気持ちを育てるだけで炎症とHRVに変化が出るってのは素晴らしいですなー。
とりあえず自問するだけでも効果はあるかも
こういった現象が起きる理由はハッキリしてないものの、感謝の心には睡眠改善の効果もあるっぽいんで、ストレスが減った結果として炎症や心臓によい影響が出てる可能性はありそう。カリフォルニア大学が2015年にやった調査(5)でも、生まれつき感謝の心が多い人は鬱にかかりにくく、疲労感も少なく、自信も持ってるって結果が出てますしねぇ。まぁまだ初歩的な研究なんで真相は藪の中ですけども、とりあえず感謝の心があると気分はいいんで、試してみちゃいかがかと思う次第です。ちなみに研究者いわく、
感謝の心を育てるために形式は問わない。シンプルに「自分は何に感謝しているのだろう?」と毎日問いかけてみるだけでもいいのだ。
ってことなんで、感謝日記がめんどうな方はそれぐらいから始めてみちゃいかがかと。