直感が働かなくなっちゃう条件がわかったかもな件
直感はどんなときに働くのか?
「直感が効かなくなる最大の原因はこれだ!」みたいな論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはベルリン自由大学の実験で、111人の学生を対象に「直感はどういうときに効くの?」って問題を調べたもの。ここでいう直感ってのは、「うまく説明できないけど『自分はわかっている!』という実感」みたいな感じです。無意識のうちに脳が働いて、自動的に答えを導き出してくれた状態って感じですね。
いろんな写真で参加者の感情をコントロールした
で、実験では「国際情動画像システム(IAPS)」ってのを使って、参加者にいろんな写真を見せたんですね。
IAPSは科学者がよく使う画像データベースで、その内容は、可愛い赤ちゃんや子猫みたいにポジティブな感情を引き出すものから、陰惨な事故写真のようにネガティブな感情を引き起こすものまで様々。心理学の実験では、このデータベースから適当な写真を使って、参加者の感情をコントロールするケースが多いんですよ。
そのうえで、研究者がどのように直感を計測したかというと、3つの単語を見せて「つながりがあるかないか?」を答えてもらったんですね。たとえば、「塩、魚、深」だったら「海」って共通点がありますが、「夢、球、本」だったらつながりはないわけです(人によってはあるのかもですが)。
参加者は、単語につながりがあるかどうかを2,000ミリ秒のあいだに判断するように指示されたとのこと。ほぼ論理的な頭が効かない状態で、どこまで直感だけで正解が出せるかを調べたわけっすね。これを研究者は「直感インデックス」と呼んでおります
不安な人は直感力が激減する
で、どんな違いが出たかと言いますと、
- ポジティブ、またはニュートラルな感情の人は、直感インデックスが11点だった
- 不安な感情の人は、直感インデックスが2.84点だった
だったそうな。なんでも、不安を感じた人は単語のつながりを見つけるのがとにかくヘタだったそうな。
研究者いわく、
不安や鬱のようなネガティブな感情により直感力は低下する。この現象は、優柔不断な人、後悔が多い人、態度があいまいな人、決断力がない人などにも当てはまるかもしれない。
とのこと。要するに、スパッと決断ができない人ってのは能力が低いんじゃなくて、直感力が鈍ってるせいで瞬時の正解が出せなくなってるんじゃないか、と。ちょっと前にも「コミュ障には不安症の人が多い」って話を書きましたが、いろいろと不安は日々の判断に影響をあたえるんですなぁ。
まとめ
ってことで、短時間に良い判断を下すためにも不安対策は欠かせなさげ。当ブログでもいろいろ取り上げてまして、
- パレオ式 21分「不安撃退」ワークアウトサーキット
- 不安や緊張、心配性に効くサプリの飲み方を考えてみたよ
- 科学的に正しく「不安の良さを活かす」ための3つのポイント
- 5分以内にストレスと不安が激減する。科学的に正しい「ストレス対策」50選
なんてのが参考になるかと思われます。どうぞよしなにー。