なぜ立って仕事をすると仕事の生産性が上がるのか?
スタンディングデスクで仕事が進む!ってデータが増えてきた
「パレオダイエットの教科書」では、立って仕事ができるスタンディングデスクを推薦してまして、わたしも日々愛用しているわけです。
その理由としては、日常の運動量を増やしたり、老化防止に役立てるのがメイン。なにせ座り仕事は体に悪いもんですから。
さらに、近ごろよく見かけるのが、スタンディングデスクで仕事の生産性があがるよ!みたいな話です。たとえば、
なんておもしろいデータがあったりするんですな。いずれもサンプル数が少ないのが難点ながら、なかなか希望の持てる話ではないかと。
立ちながら認知テストをしてもらう
ってところで新しく出た論文(1)では、「スタンディングデスクで生産性が上がる理由とは?」について調べてくれてていい感じでした。
これはアリエル大学の実験で、50人の学生を対象にしたもの。まずは全体を以下の2グループにわけまして、
- 立った状態
- 座った状態
そのうえでストループテストをやってもらったんですね。これは、おもに注意力を計るためのテストでして、たとえば以下のような画像を見て、文字の色をすぐに言ってもらうのが基本。
当然ながら、青い色で「青」と書かれたほうが回答スピードは速くなり、黄色い色で「青」と書かれたほうが回答スピードは遅くなるわけっすね。
立ったほうが注意力のコントロールが効いていた
で、実験ではどんな違いがあったかと言いますと、
- 立った状態の回答時間=100ミリ秒
- 座った状態の回答時間=120ミリ秒
だったんだそうな。20ミリ秒の差というと微妙のような気がしますけど、ストロープタスクの結果としては、まあまあの違い。この20秒のチリが積もって、やがて山になっていく可能性は十分にあるわけであります。
このような違いが出た理由について、研究チームは「スタンディングよるストレス効果が原因じゃない?」と考えておられます。どういうことかと言うと、
- 立ちながら仕事をする
- 立つことによりマイルドな緊張が生まれる
- 脳に適度な活が入る
- 認知機能が改善!
みたいな話です。
集中力を保つにはストレスが必要
ご存じのとおり、ヒトの脳は緊張しすぎてもリラックスしすぎても上手く働きませんで、一定の集中力をたもつには適度なストレスが必要なんですよね。フロー状態に入るためには適切な難易度高さが必要になるのと同じことですな。
これが、座った状態だとどうしてもダラけた状態になっちゃうところを、スタンディング作業で生まれる適度なストレスで脳が緊張をとりもどすわけです。ホルミーシスの仕組みなんかにもちょっと似てますね。
ってことで、適切な緊張感をキープしながら仕事をしたい方には、やっぱスタンディングデスクはおすすめ。「マイルドなストレスが得られているか?」って意識を持ちつつ使うと、さらに効果があがっていいかもしれません。