どんなセルフコントロール訓練が効くのか?のメタ分析が出てたよー
「人生はセルフコントロール能力で決まる!」ってことで、定期的に関連データを取り扱っております当ブログ。この能力を上げる方法としては、
などがあるわけですが、どれがベストなのかねーってのは判断しづらいところ。そもそもセルフコントロール能力ってのが数値化しづらい概念なんで、統一した答えを出すのって難しいんですよねー。
ってところで、「どんなセルフコントロール訓練が効くのかをガッツリ調べてみたよ!」って論文(1)が出まして、なかなか参考になりそうであります。
これはロンドン大学の研究で、過去のセルフコントロール研究から質が高い49件を抜き出したメタ分析。2〜17歳の子供23,098人を対象に、どうすればセルフコントロール能力って高まるの?って問題を調べてくれております。対象が子供だけなんですけど、まぁそこまで基本的なところは変わらないんじゃないかと。
で、ここで効果を比べたテクニックがどんなものだったかというと、
- カリキュラムトレーニング:同級生とみんなで難問を解くゲームをしたり、セルフコントロールの大事さを伝える本を読んだり、認知行動療法に近い内容を教えたりなど、クラスの仲間といろんなチャレンジをするタイプのトレーニング。
- マインドフルネス・ヨガ:ドットビーのようなプログラムを使ったり、マインドフルネス瞑想を試したり、学校の後にヨガを教えたりと、マインドフルネスを鍛えるタイプのトレーニング。
- エクササイズ系:HIITをやったり、格闘技をやってみたり、サッカーみたいな集団競技をやってみたりと、とにかく体を動かすタイプのトレーニング。
- 家族プログラム:両親にセルフコントロール能力の大事さを伝えたり、両親を学校に呼んで一緒に難しい問題を解いたり、家族と一緒に行うパターン。
- ソーシャルトレーニング:同級生とともに「社会的な責任の重要さ」を学ぶ授業をしたり、「本当はやる気がなくてもとにかく意志力があるように行動してみる」ってテクニックを学んだり、論理的な問題解決のスキルを学んだりとか、わりと硬派なタイプのトレーニング。
の5種類であります。では、それぞれの効果がどうだったかと言いますと、
- カリキュラムトレーニング:0.34
- マインドフルネス・ヨガ:0.44
- エクササイズ系:0.46
- 家族プログラム:0.42
- ソーシャルトレーニング:0.64
ってことでいずれもまぁまぁの効果が出てまして、トレーニングを受けた子供はテストの成績が上がり、うつにもならなくなり、問題行動も起こさない傾向が高かったらしい。
また、このなかだとソーシャルトレーニング系がベストでして、どうやら仲間と一緒に粘り強く問題にとりくんでいくのがいいみたい。つい最近も「セルフコントロール能力は伝染する!」って話があったばかりですけど、結局ひとりでやってくよりは仲間を探したほうがいいんでしょうなぁ。
ただし、このメタ分析は個人差も大きく出てますんで(I²=77.0%)、どこまで万人に当てはまるかはよくわからんところであります。当然ながらトレーナーの質によっても大きく効果は変わるでしょうからねぇ。とりあえず、もうちょいハッキリした答えが出るまでは「セルフコントロール能力が多い人の集まるコミュニテイに入ろう!」ってのを心がけて行こうかと思います。