カップルの仲の良さを判断できる最大のポイントが見つかった件
メンタルの状態は言葉づかいに出る!ってのは有名な話。たとえば「鬱や不安に悩んでいる人は断言調が多くて一人称をよく使う」みたいなデータがありまして、どうやら精神の状態と言葉の選び方は連動してるみたいなんですな。
で、新しく出た論文(1)は、「男女の仲の変化でも言葉づかいは変わるぞ!」って結論になってておもしろかったです。
これはカリフォルニア大学などの研究で、過去の対人関係についての研究から質が高い30件を選び出し、およそ5000人超のデータをまとめたメタ分析になっております。具体的にどんなポイントを調べたのかと言いますと、
- カップルがどれだけ長いあいだ仲良く暮らしているか?
- 男女が一緒にどれぐらいポジティブな行動をしているか?
- メンタルはどれだけ健康か?
- 身体はどれだけ健康か?
- 健康的であるための行動を取れているか?
みたいな感じ。ざっくり言えば、心身ともに健やかな関係性を続けられている男女はどこが違うの?って問題をチェックしてくれたわけですな。
さて、その結果について研究者いわく、
すべての研究をまとめると、より大きな傾向が見えてきた。男女の恋愛関係においては、「Weトーク」がポジティブな指標になっていたのだ。
だそうです。「Weトーク」の量が多いカップルほど、おたがいに助け合うことが多く、2人の関係を第一に行動し、パートナーをポジティブに解釈し、ストレスやケンカの量も少ない傾向が見つかったんだそうな。すごいですねぇ。
では、「Weトーク」がどんなもんかと言いますと、
- 会話のとき、または文章を書く際に、「私たち」「自分たち」「うちら」などの量が多い
ってことです。逆に「私は」「私の」といった表現が多い場合は「Iトーク」と呼ばれます。わかりやすいですね。
もっとも、このデータだけでは、果たして「Weトークが男女の仲をよくしているのか?」または「仲が良いカップルほどWeトークを使うのか?」ってところは不明なんですが、研究者はこう言っております。
おそらく両方の面があるのだろう。自分やパートナーの「Weトーク」を聞くと、私たちはよりお互いの依存関係に意識が向くし、そのおかげでより健康的な関係性を達成できる。
しかし、当然ながら、2人の関係が健康で相互依存的であれば、より「Weトーク」の量も増えるだろう。
そんなわけで、「Weトーク」でカップル仲がわかるのは、両方の経路があるんじゃないか、と。そんな感じがしますなぁ。
もちろん、これは英語圏のデータなんで、あんま主語を使わない日本だとそこまで簡単には判断できないところかと思います。おそらく日本語の場合は、「互いに」とか「一緒に」とか、2人をワンセットで考えるような単語が増えるのかもしれませんなぁ。