ブヨブヨになった脂肪肝を”あのサプリ”が救ってくれるかも!というメタ分析
こないだ「魚にふくまれるオメガ3脂肪酸がメンタルに効く!」っていう精度の高い話がありましたが、今度は「非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD)にもいいよ!」ってデータ(1)が出ておりました。
ご存じのとおり、NAFLDってのはアルコールをがぶ飲みしたわけでもないのに、肝臓に全体の5%以上の脂肪がついちゃった状態のことです。肝臓は人体のケミカルプラントみたいな臓器なんで、こいつがやられれば一大事。糖尿病、脂質代謝異常、メタボなどへまっしぐらなんですな。
そこで出てきた今回の論文は、過去に行われたオメガ3研究からNAFLDにかんする18件をまとめたものです。毎度おなじみメタ分析でして、EPAやDHAが脂肪肝にどんなメリットがあるかを調べてくれております。
全体のうち14件は大人が対象で、残りの4件は子どもが対象。最近は子どもの脂肪肝も増えてますんで、なかなかありがたいデータになってるんじゃないでしょうか。
研究に使われたオメガ3の量は、
- 最低量が1日DHAを250mg(藻類から採取したものを使用)
- 最高量は、1回4626mgのDHAと2151mgのEPAを使用
って感じでだいぶ開きがありますね。研究期間はだいたい2カ月から1.5年の長さになってます。
ということで、以下に結論をざっくりまとめます。
- 5件のデータで、オメガ3サプリは肝臓の脂肪を5.2%減らしていた
- GGTやALTといったおなじみの数値が改善。ただしASTには変化なし
- いずれのデータでも、総コレステロール、LDL、HDL、中性脂肪の数値に改善が見られた。ただし被験者が子どもの場合は、中性脂肪だけが改善していた
- オメガ3サプリは、血糖値やインスリンの数値には影響がなかったが、HOMA-IR は改善していた(つまり糖尿病のリスクが減った)
- あと、体重や血圧にも影響はないっぽい
って感じでして、全体的に見れば「脂肪肝に役立つかも!」とは言えそう。もちろん、脂肪肝を治すには食事の改善と運動が第一ですが、治療のサポートぐらいには使えそうなムードをかもし出しております。
なんでこういうこう効果が出るのかと言いますと、どうやらオメガ3ってのは脂肪代謝にかかわる遺伝子に働きかけていく作用を持つみたいなんですな。そのおかげで脂肪酸の燃焼がスピードアップして、肝臓にも良い影響をあたえるっぽい。すごいですなぁ。
ただし、このデータだと「1日にどれだけオメガ3をとればいいの?」って問題はよくわかりませんので、「脂肪肝になったらサプリを飲もう!」とは言えないのが難しいところ。なによりオメガ3サプリは正しい商品を選ぶのが超難しいので、とりあえず脂肪肝になったら食事の改善ついでに魚を増やすのがいいんでしょうな。