今週半ばの小ネタ:我が子からモテたい父親はどうすべきか、地中海式ダイエットと腸内フローラ、ビタミンDサプリと心臓病の予防
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
我が子からモテたい父親は、子供とこう付き合おう!みたいな話
自分の子供と仲が良い父親は何が違うのか?って疑問について調べたデータ(R)がおもしろかったんでメモ。
これはジョージア大学の研究で、3歳の子供を持つ父親80人を対象にしたもの。全員にインタビューを行ったり、家庭での父子の交流を観察したりして、関係性が良い父と子供にはどんな特徴があるのかをチェックしたんだそうな。
そこでどんな傾向が見つかったかと言いますと、
- 父と子供が一緒に過ごす時間の量は、父子の関係性と相関しなかった
- しかし、父親が仕事日に子供の世話を行なっている場合、親子の愛着はより強い傾向があった
- 対照的に、父親が仕事日に子供と遊んでいる場合は、逆に愛着は弱まる傾向があった
だったそうな。要するに、平日の仕事が多い日でも子供の食事の世話などをやっている父親は関係性が良く、ただ遊んでるだけじゃダメなのかもしれないんだ、と。
なんか不思議な結果のようですが、研究チームの推測によりますと、
- 仕事があるにもかかわらず、ただ遊ぶだけでなく日常的な世話をしようとする父親の姿は、子供に対して「自分は信頼できる存在なのだ」という印象を子供に与えるから?
- 平日にもちゃんと子育てに関わることで母子関係も改善し、家族全体の調和が高まるから?
みたいになってます。ざっくり言えば、「育児の楽しいとこだけつまむんじゃなくて、めんどうなとこにもちゃんと関わらないと子供とは仲良くなれんぞ!」みたいなことでしょうかね。
もっとも、これは「子供との遊びは無意味」って意味じゃなくて、研究チームは以下のように念を押しておられます。
子供やパートナーが手助けを必要としているのに、「遊び」に時間を費やすのは問題だ。しかし、時間に余裕があって育児のプレッシャーが少ない時には、遊びの方が重要になることもある。
ってことで、要は育児の優先順位を見極めて、「子供と遊んであげればいいだろう」みたいな安易な考え方はしないようにねーってことすかね。我が子にモテたい方はご参考にどーぞ。
地中海式ダイエットで腸内フローラが改善する?
「地中海式ダイエットで腸内フローラが改善するぞ!」という地中海ファンにも腸内細菌ファンにもうれしい研究(R)が出ておりました。
これはフローニンゲン大学の研究で、健康な人やIBSの患者さんなどをふくむ1,423人の男女の食習慣と腸内細菌をチェックしたところ、
- 地中海式に近い食事をしている人、腸内にいろんな細菌が多く、炎症マーカーのレベルが低かった
- 逆に、肉や砂糖、ファストフードは良い腸内細菌の減少と相関し、体内の炎症レベルも高い傾向があった
もちろんこのデータだけだと「地中海式のなにが腸内細菌の改善に効いているの?」ってとこはわからんわけですが、普通に考えれば、野菜の豊富な食事が腸に良いのは当たり前ではありますな。
研究チームいわく、
今回の結果は、食事が腸内フローラを調節することによって、腸の疾患に対する治療または管理が行える可能性を示している。
とのことですので、腸疾患の問題にお悩みの方は、地中海式を選択肢のひとつに入れてみるのもいいのではないでしょうか。
ビタミンDサプリは心臓病の予防には無意味
ビタミンDのサプリにはいろんなメリットがあるよーってデータが多い昨今でありますが、「残念ながら心疾患リスクには無意味だ!」ってデータ(R)が出ておりました。
これは83,000人以上の患者を含む21件のRCTをまとめたもので、「ビタミンDサプリを使ったら心筋梗塞や脳卒中などは防げるの?」って疑問について調べてくれております。その結論だけをざっくりまとめちゃうと、
- ビタミンDサプリを飲んでも、心筋梗塞、脳卒中または脳の血管障害、心疾患による死亡率、さらに全死亡率のリスクは低下しなかった
みたいになります。研究チームいわく、
ビタミンDのサプリは心疾患のエンドポイントに対して有益な効果を示さなかった。したがって、心疾患を予防する目的でビタミンDのサプリを処方すべきではない
ってことで、わりとキッパリと言っておられます。ビタミンD不足が心疾患リスクを高めるのはほぼ間違いないものの、だからといってサプリが役立つわけではなさそうっすねー。