筋トレは量を増やすほど良いのは間違いないが、どこまで週のセット数を増やせばいいのか問題
筋トレでもっとも大事なのはボリュームだ!って話はよく書いております。
ボリュームってのは「重量 x 回数 (レップ数) x セット数」のことで、この数値を増やしていくほど筋肉は増えやすくなるんですよね。ここらへんはかなり多くのデータで確認されていて、まずは間違いがない話。
なので、負荷か回数かセット数のどれかを増やせば筋肉は育つわけですが、新しいデータ(R)は「とにかくセット数は増やせば増やすほどいいの?」って問題を扱ってておもしろいです。セット数を増やすのがいいのは間違いないんだけど、そこには上限がないの? 本当に単純にセット数を増やせば筋肉は発達するの? みたいな問題っすね。
具体的にな、筋トレ歴が平均で3年ぐらいの男性27人を対象に、全体を3つのグループに分けてます。
- 週に16セットを行う
- 週に24セットを行う
- 週に32セットを行う
このセット数は多関節と単関節エクササイズで半分にわけていて、例えば32セットのグループで胸を鍛える場合であれば、ベンチプレス(多関節)を16セット行い、さらにフラット ダンベル フライ(単関節)を16セットやるみたいな感じになってます。
トレーニングの回数は週4回で、1セットは8〜10RMで「もう筋肉が動かない!」ってとこまで追い込んだ模様。胸、背中、足、腕をまんべんなく鍛えつつ、8週間後の違いをチェックしたそうな。にしても週に32セットってのはかなりのボリュームですね。
で、トレーニング後にスクワットとベンチプレスの1RMを測り、さらに超音波を使って筋肉の厚みの変化を調べたところ、こんな結果になりました。
- 筋力と筋肉のサイズは3つのグループ全てで有意に増加したものの、基本的にはセット数が増えれば増えるほど増加レベルは大きかった。特に、二頭筋、三頭筋および四頭筋は、トレーニング量と筋肉の成長の間にかなり強い相関(r=0.84-0.88)があった
- ベンチプレスの増加率はこんな感じ
- 16セット:23.6%
- 24セット:20.9%
- 32セット:28.7%
- スクワットの増加率はこんな感じ
- 16セット:16.6%
- 24セット:18.1%
- 32セット:25.4%
- 四頭筋の増加率はこんな感じ
- 16セット:2.1%
- 24セット:5.6%
- 32セット:9.4%
ってことで、一部に微妙な差異はありながらも、基本的にはセット数を増やすほど筋力と筋肉量がきれいに増えていってまして、30+セットというめちゃくちゃ大きなトレーニング量でも、筋肉は発達していくんだなーって感じっすね。
が、だからと言って32セットの筋トレは時間がかかりすぎて現実的じゃないんで、私のように体力維持のためにトレーニングをしてるような人は、もっと少ないセット数で妥協するしかないのが現実ではありましょう。なのでこの結果を生かすとすれば、
- 忙しいときはセット数を減らし、ヒマがあれば高ボリュームに挑んでみる
- 鍛えたい筋肉グループだけ超高ボリュームにしてみる
といった感じで取り組んだほうが長期的には続けやすいんじゃないかと思っております。また、筋トレボリュームの増やし方については、「プログレッシブ・オーバーロードのガイドライン」に詳しく書いてますんで、気になる方はどうぞ。