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食事をしてもすぐにお腹が空いちゃう……なら「硬さ」と「粘っこさ」にこだわるべし!みたいなメタ分析のお話

 

体重を落としたいときに欠かせない要素といえば満腹感。食事から素早く満足を得られれば、当然がながらそれだけカロリーを摂取せずに済むわけです。

 

 

満腹感を左右する要素はいろいろあって、例えば、

 

 

などがあります。いずれもダイエットをしたい時は気を配るべき大事な要素っすね。

 

 

でもって、近ごろ出たメタ分析(R)は「食感も超大事だから忘れないで!」ってポイントを強調してておもしろかったです。硬いせんべいとかネットリした芋とか、そういった食感を持つ食品は、さらさら食べられる食品よりも満腹感が高いのではないか? みたいな話ですね。

 

 

これはリーズ大学などの調査で、健康体から肥満の男女をふくむ29件のテストをまとめてまして、食品の食感によりどれぐらい満腹度が変わるかを見ております。ここでどんな食感をチェックしたかというと、

 

  • 形状(液体か個体か)
  • 粘度(ベットリかサラサラか)
  • 潤滑性(ツルツルかザラザラか)
  • 同質性(一貫したテクスチャがあるかどうか)
  • 複雑さ(いろんな食感が混ざってるかどうか)
  • 空気量(フワフワかどうか)

 

みたいになってます。満腹感をどうやって計測したかと言いますと、

 

  • どんだけ空腹か、または満腹か、まだ食べたいかを100点満点で何点か採点してもらう
  • いろんな食感の食事をした後で、さらにどれぐらい食べたかをチェックする
  • GLP-1やPYYなどの食欲を左右するホルモンがどれぐらい増えたかを調べる

 

といった感じで、わりといろんな方向から調べてますね。

 

 

でもって、すべてのデータをひっくるめてどんな傾向が確認されたかと言いますと、

 

  • 硬いかドロドロの食品は、それ以外の食品より満腹感をあげる!

 

ってことで、満腹感にとって大事なのは「硬さ」と「粘度」だったらしい。もうちょいくわしい数字も書いておきますと、

 

  • 主観で言うと、硬い食べ物は液体に比べて-4.97点ほど空腹感を減少させ、ネットリした食べ物はサラサラの食べ物に比べて-2.10点ほど減少させる
  • 満腹感については、ネットリした食べ物はそこそこの効果がある(95%CI 5.20(2.43、7.97))
  • 食物摂取量についっては、個体の食べ物は中等度の効果がある(95%CI - 26.19(- 61.72、- 9.35))

 

って感じでして、とにかく堅いかドロッとしたものを食べとけば、まぁまぁ空腹感をコントロールできるかもしんないわけっすね。まぁ研究間のバラつきがめちゃくちゃ大きいので、今後の調査では否定的な結論が出る可能性もなくはないですが。

 

 

研究チームいわく、

 

あなたが健康的な食事を目指している場合は、より満腹感が長もちするような食品を選ぶのがよい。今回の調査結果によれば、固体で粘度の高い食品ほど満腹感が続く可能性が示唆されている。液体ではなくよりジェルに近いものを選ぼう。言い換えれば、リンゴジュースではなく、リンゴそのものを食べるのだ。

 

とのこと。要は「歯応え重視で行け!」ってことでして、このあたりは非常に納得しやすい話かと思います。そういえば、ちょっと前にも「ダイエットドリンクに必要なのは『粘度』だ!」みたいな話もありましたもんね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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