高タンパク食で代謝は上がるし満腹感も倍になるしでウハウハだ!みたいな実験
タンパク質が食欲を減らすよ!ってのは有名な話。タンパク質は消化吸収がゆっくりなんで、満腹感が続きやすいんですよねー。
ってことで、個人的には「タンパク質を増やしたら?」ってのがダイエット法としてはもっとも手軽だと思う次第。事実、糖質制限ダイエットが効くのもタンパク質量が増えるからだと考えられますしね。ここらへんはいろんな実験で確認されてる話。
ただし、以上の話はおもに糖尿病や肥満ぎみな人を対象にしたケースが多くて、「健康で標準体重の人にはどれぐらいの効果があるの?」って問題を調べた例って意外なほど少なかったんですよ。気になるとこですねぇ。
ってことで、新しいデータ(1)は健康な男女を対象に「タンパク質を増やしたらどうなるか?」ってとこを調べてくれててナイスでした。
これはケンブリッジ大学の実験で、被験者に2パターンの食事をしてもらっております。
- 高タンパク食:タンパク質45%、脂肪20%、糖質35%
- バランス食:タンパク質15%、脂肪35%、糖質55%
そのうえで食後36時間までの空腹感とカロリー消費などを計測。代謝の測定にはメタボリックチャンバーを使っていて、この手の実験としてはかなりいい感じになっております(メタボリックチャンバーは金がかかるので避けることが多い)。
では、その結果がどうだったかと言いますと、
トータルの代謝量は高タンパク食のほうが有意に高かった。 (6.07 ± 3.58 kJ/min vs 5.81 ± 3.42 kJ/min, P < 0.0001)
だったそうな。数値だけ見るとたいした差がなさそうな気がしますけど、マクロのバランスを変えただけで、36時間にわたって+4.5%ほど代謝が上がり続けるってのは結構いい話じゃないでしょうか。
さらに食後の空腹感にもなかなかの差が出てまして、以下のグラフをご覧ください。緑のラインが高タンパク食で、青のラインがバランス食。点数が10ポイントに近づくほど「もう満腹で入らない!」ぐらいの意味になります。
ってことで、高タンパク食の優位性が一目瞭然っすね。バランス食よりもざっくり倍ぐらいは満腹感が高まっていて、これまた長期的なダイエットに役立ってくれそうですなぁ。
ちなみに、高タンパク食を続けると1日で89.48kcalほど消費カロリーが増える計算でして、この数値が積み重なっていけば、かなーり体重のメンテナンスに役立つんじゃないでしょうかー。