ダイエットドリンクにもっとも必要な要素、それは「ファントムフルネス」
「ダイエットドリンクに必要なのは『粘度』だ!」って実験(1)がおもしろかったんでメモ。
これはヴァーヘニンゲン大学の実験で、15名の男性が参加したもの。まずは、全員に以下の2パターンでミルクシェイクを飲んでもらったんですね。
- 乳脂肪ベースで500kcal
- 乳脂肪は少なめで100kcal + ローカストビーンガム
ローカストビーンガムは食物繊維の一種で、加工食品の成分表によく書いてある「増粘多糖類」と同じものです。食品に「とろみ」をつけるために使う添加物ですな。
さらに、その後で、
- 全員をMRIにかけて、どれだけ胃の中にミルクシェイクが残っているかをチェック
- 全員にアンケートを取って、主観的な満腹感を100点満点で採点してもらう
- ミルクシェイクを飲んだあと、全員に「サンドイッチを好きなだけ食べてOK」と指示
って手順で実験を進めていったらしい。そこでわかったのが、
- 粘り気を高めたミルクシェイクは、カロリーが低いにも関わらず食後の満足度は高くなった
- 胃の中から食物繊維やミルクシェイクがなくなったあとも、食後の満足度は続いた
みたいな感じ。粘度が高いシェイクを飲んだあとは、高カロリーのシェイクを飲んだあとよりも満腹感が続き、サンドイッチの量も少なかったんだそうな。
ここでおもしろいのは、胃が空っぽになったあとも満腹感が続いたとこ。これまでは、食物繊維の満腹感が高いのは胃がふくらむからだと思われてきたわけですが、意外とそれだけでもないわけですな。
研究者いわく、
今回の結果を見ると、食物繊維で満腹感が起きるのは、必ずしも胃のなかが満たされるからではない。もっと直接的に満腹感をもたらしているらしい。
その原因はよくわからないが、ヒトの食欲は「口当たり」のような要素にも左右されているようだ。
とのこと。よくわからんのですが、とにかく食物繊維はいろんな経路で食欲に影響をあたえてるみたい。研究者は、この現象を「ファントムフルネス(ニセの満腹感)」と呼んでおります。なんかかっこいいフレーズなんで、今後どこかで使っていきたい。
参照 Wageningen University
さらに研究者いわく、
炭酸飲料水のようなエンプティカロリー食品は、非常に食補の満足度が低いことはあきらかだ。しかし、ここに「粘度」の要素をくわえるだけで、主観的な満足感はアップする。
これは、わたしたちが「ファントムフルネス(ニセの満足感)」と呼ぶ現象だ。うまく使えば、普段の摂取カロリーを減らすために役立つだろう。
とのこと。とにかくハイカロリーなスープやシェイクなどを飲むときは、食物繊維を大量につっこんで粘度を増してみれば、簡単にダイエットドリンクになるわけですな。