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ニキビが起きやすい食品と、ニキビ予防に役立つ食品とは?の系統的レビュー


 

ニキビの原因はいろいろあって、食生活からメンタルまで幅広い要素が関わっていると考えられております。

 

 

でもって新たな系統的レビュー(R)もニキビの話で、「ニキビが起きやすい食事とは?」って問題について、先行研究をまとめまくった内容になってて参考になります。具体的には2009年から2020年までに発表されたにニキビに関する文献を評価していて、

 

  • 介入試験が11件(RCT7件、非対照非盲検試験4件)

  • 観察研究42件(症例対照研究17件、クロスセクション研究22件、ケースシリーズ研究3件)

 

を含む計53件の論文を対象にしてます。まず結論から言っちゃうと、こんな感じです。

 

  • グリセミック指数(GI)またはグリセミック負荷(GL)の高い食品、乳製品、「脂肪分の多い」食品、チョコレートは、ニキビの悪化と関連していた。

  • 果物と野菜はニキビの減少と関連していた。

 

非常にシンプルな結論でして、従来の知見とそう違わないっすね。要するに、パスタ、白米、パン、砂糖、牛乳、牛肉、豚肉のような食品はニキビの原因になるよ!ってことですな。これらの食品は、過剰な皮脂を作るホルモンの分泌を刺激するんですよ(まだ正確なメカニズムがわかってるわけじゃないですが)。

 

 

ってことは、これらの食品の逆を行けばニキビが改善するはずで、実際に過去のデータを見てみると、

 

  • 韓国の患者さんを対象とした研究(R)では、低GI食を10週間続けたところ、ニキビが大幅に改善された

  • RMITの研究(R)では、低GIで高タンパク質の食事を12週間続けた男性はニキビが改善され、体重減少にもつながった
  • ラスキースキンセンターなどの研究(R)では、オメガ3系と抗酸化物質のサプリメントを毎日摂取した人は、ニキビの減少とメンタルヘルスの有意な改善が見られた
  • ワルシャワ大学などのレビュー(R)によれば、証拠は限定的ながら、抗酸化物質の多い食事でニキビが減る可能性はある

 

といった傾向が示唆されてたりします。野菜中心の低GI食で皮脂の分泌ホルモンを減らし、オメガ3や抗酸化物質が多い食事で肌の炎症を抑えるってのが基本的な対策になるでしょうねー。

 

 

ちなみに、そのほかニキビの改善に役立ちそうな栄養素といえば、

 

  • 亜鉛:カキやカニなどの魚介類、カボチャの種、カシューナッツなど亜鉛が豊富な食品を食べると、ニキビの予防や改善に役立つとの研究は多い。

    事実、血中の亜鉛濃度とニキビの重症度との関係を調べた研究(R)では、亜鉛の量が少なくなるほどにニキビが悪化すると報告されている。研究チームは重症のニキビを治療するには、食事で摂取する亜鉛の量を1日あたり40mgに増やすことを推奨している。

 

 

  • ビタミンAとE:94人の患者を対象にしたテスト(R)では、ビタミンAとEの量もニキビの重症度と関係していた。ただし、これらの成分をサプリでとるのは危険性もあるので、あくまで食品から摂取するのが望ましい(サプリを使う際は医師に要相談)。

 

といったあたりも有望ですんで、お悩みの方はご一考ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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