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ニキビを悪化させちゃうかもしれない5つのNG食品

 

ニキビに関するご質問をいただきました。

 

いつもブログを拝見させていただいています。パレオさんはニキビの治療についてたくさん書いてますが、私もニキビに困っています。ニキビが難しい問題なのはブログを読んでわかったのですが、ほかに具体的に食べてはいけないものなどありますでしょうか?よろしくお願いします。

 

とのこと。確かに、当ブログでは定期的にニキビについて書いていて、具体的な対策ガイドラインなんてのもまとめたことがありました。

 

 

ニキビ治療でひかえるべき食品はいろいろありますけど、大きくわけると、

 

  1. 体に炎症を起こすもの
  2. 血糖値を爆上げするもの

 

の2つにわけられるかと思います。炎症とニキビの関係については昔に書いたとおりで、そのメカニズムもそこそこ確立されてる感じ。

 

 

もうひとつの「血糖値」はあんま触れたことがないですけど、ざっくり言えば、

 

  1. 血糖値に反応してインスリンが分泌される
  2. インスリンがアンドロゲンホルモンを増やし、IGF-1のような成長ホルモンを増加させる

 

みたいな流れです。成長ホルモンと聞くと良さげな印象があるかもですけど、細胞の発達や皮脂の分泌が激しくなっちゃうんで、実はニキビにはよろしくなかったりするんですな(1)。

 

 

ニキビのNG食品5選

では、以上をふまえたうえでニキビのNG食品をまとめていくとこんな感じ。

 

 

1. 精製穀物&精製糖

これは当然っすね。精製されたものはすべて血糖値を爆上げするんで、ニキビには百害あって一利なしであります。

 

 

この問題についてはいくつかの観察研究があって、ニューヨークの成人64人を対象にした研究(2)では、精製された炭水化物を食べる量が多い人ほどニキビの症状が激しい傾向があったりとか。また、トルコで行われた横断研究(2300人が対象)だと、パン、パスタ、清涼飲料水の消費量が多い人はニキビの悪化率が30%増えるってな結果も出てたりします(3)。

 

 

いっぽうで2007年のRCT(4)では、GI値が低い食事(葉物野菜がメインの食事)をしたら、12週間でニキビの量が減ったよ!って報告も出てますんで、ニキビにお悩みの方は試してみてもいいかもですな。

 

 

2. ファストフード

 

こちらも当然ですねー。当ブログでも何度か書いてますが、高脂肪でカロリー過多な食事は炎症のもとでして、近年のデータ(5)でも「西洋風の食事はIGF-1に悪影響だ!」ってな結論になってたりします。

 

 

とくに脂肪が豊富な食事はニキビには悪影響でして、2010年に中国で行われた観察研究(6)では、5696人の食事をチェックしたところ「高脂肪食はニキビの悪化リスクを43%あげる!」って結論。ハンバーガーやソーセージなどもニキビリスクを24%上げるとのことであります。

 

 

ちなみに、ファストフードがニキビに良くない理由としては、一部の研究者は「遺伝子の発現に影響してるのでは?」とも考えてたりします(7)。たんに血糖値の上昇や炎症を起こすだけでなく、どうも遺伝子に影響をあたえてるらしいんですな。怖いっすねぇ。

 

 

3. オメガ6脂肪酸が多いもの

これまた当ブログでは「炎症の原因」として定番のポイントでして、やっぱりニキビにはよろしくなかろう、と。

 

 

ただし、オメガ6の消費量とニキビの発症リスクを調べたものは意外と少なくて、いまんとこは上にあげたファストフード研究から類推するしかない感じ(当然、ファストフードにはオメガ6が多い)。まぁニキビの炎症経路はほぼ確立されてるんで、間違いなかろうと思いますが。

 

 

日本だと大豆油の消費量が多いんで、そこらへんに注意が必要っすね(マヨネーズとか)。

 

 

4. 乳製品&ホエイプロテイン

 

牛乳でニキビになる!ってのは昔から言われてきたことで、わりと研究例も豊富だったりします。具体的には「ニキビの原因は乳製品だ!はどこまで正しいのか?」にまとめてますが、ざっくり言えば、

 

  1. 乳製品がニキビを悪化させる可能性はかなり高い
  2. ただし、世間で言われるほど悪影響があるわけでもない

 

って感じです。一般の人が乳製品を止めるほどの問題ではないものの、いま激しいニキビに困っているなら、一時的に牛乳やヨーグルトはやめたほうが安全だよーぐらいのイメージですね。

 

 

なにせ乳製品はインスリンレベルをあげますし、IGF-1の量も増やしますんで、どうしてもニキビを悪化させちゃう可能性は否定できないんですよねぇ。これはホエイプロテインも同じでして、豊富にふくまれるロイシンやグルタミンが細胞に働きかけて、ニキビの悪化につながるかもしれないんですよ(7)。

 

 

事実、2013年に行われた観察研究(8)では、いつもプロテインを飲んでる筋トレ好き30人を調べたところ、ホエイの摂取が多い人ほどニキビが多い傾向があったそうな。ここらへんはゆるいデータなので信頼性はイマイチですが、やはりニキビにお悩みの方はひかえたほうがいいのではないか、と。

 

 

5. チョコレート&ココア

チョコレートも昔から「ニキビの原因では?」と言われてきた食品ですね。

 

 

もっともチョコとニキビの関係はよくわかってなくて、まだ科学的なコンセンサスがあるわけじゃないです。いちおう気になるデータとしては、

 

  • 25人の男女に99%のダークチョコレートを1日25gずつ食べてもらったところ、2週間でベースラインよりニキビが増えた(9)
  • 14人の男性に100%ココアパウダーカプセルと飲んでもらったら、1週間でニキビの量が増えた(10)

 

といったところがあるものの、まだチョコがどこまでニキビに悪いのかは謎。一説には、「チョコがニキビ菌を活性化させるのでは?」って考え方も出てますが、いまはまだ断言できない段階だったりします。

 

 

そんなわけで、必要以上に危険性をあおるつもりはないものの、とりあえずニキビに悩んでいるのであれば止めてみるのも一興ではないかと思う次第です。

 

 

まとめ

そんなわけでいろいろと並べて見ましたが、とにかくニキビの原因はいろいろありますんで、あきらめずに片っ端から試してみていただきたいところ。

 

 

また「炎症を治める」って観点からいえば、個人によって異なるアレルギー食品なんかもニキビの原因になるかもなんでご注意ください。フードアレルギーとニキビの相関を調べたデータはないものの、とりあえず注意しとくに越したことはないかと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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