大人のニキビは体内で老化が進行しているサイン
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「ニキビの原因は体内の炎症だ!」と主張する2011年の論文(1)がおもしろいです。一般的には、ニキビの原因は皮脂の出すぎや肌のお手入れ不足だと言われますが、本当は腸の不調がすべての鍵だというんですな。
消化器系の不調がニキビをもたらす
これはニューヨーク州立大の論文で、過去70年のデータをもとに、体内の炎症とニキビの関係をレビューしたもの。ポイントをざっくり抜き出すと、
- ニキビに悩む人には、便秘や口臭、逆流性食道炎といった消化器系の病気も多い。
- 胃酸の分泌が少ない人ほどニキビが多くなる傾向がある。胃酸が少ないと腸内で悪性のバクテリアが増殖し、リーキーガット(腸に細かな穴が開く現象)を引き起こす。
- リーキーガットが悪化するほどニキビはひどくなっていく。
- ロシアで行われた研究によれば、ニキビ患者の54%に腸内フローラの異常がみられた。
- 西洋スタイルの食事は食物繊維が少ないため、腸内の善玉菌が減ってしまい、その結果としてニキビが起きやすくなる。
- プロバイオティクスにはインスリン抵抗性とニキビを治す効果がある。
みたいな感じ。以前に「お腹を壊すとメンタルもやられる!」って話を書きましたが、ニキビにも同じことが言えるわけですね。
ニキビは体内で老化が進んでいるサイン
以上をふまえたうえで、具体的なニキビ発生のシステムをまとめると、
- 砂糖や脂肪が多くて食物繊維が少ない加工食品を食べる
- 腸内で悪性のバクテリアが繁殖
- リーキーガットが発生して体内に毒素が流れだす
- 全身に慢性的な炎症が起き、同時に酸化ストレスとインスリン抵抗性が増大
- 体のストレスに反応して皮脂の分泌が上がる
- ニキビ!
といった流れになっております(下図参照)。言わずもがな、慢性炎症と酸化ストレスとインスリン抵抗性は全身の劣化を速める3大要素ですから、大人のニキビは体内で老化が進行しているサインと申せましょう。
▲腸のダメージが老化を進め、最終的にニキビにつながっていく
ニキビを止めるには炎症と腸内環境を同時に対策するしかない
この悪循環を食い止めるには、体内の炎症を最低限に抑えつつ、じっくりと腸内環境を改善していくしかない感じ。慢性炎症の対策としては、
- アンチエイジングの大敵「慢性炎症」をやわらげる食材
- オメガ3のサプリを買う前にまずは徹底的にオメガ6を減らそうね
- 使ってもよさげなオメガ3サプリが2つ見つかった件
- 本当にダイエットに効くフラボノイドがついに特定された件
あたりを参考にしてくださいませ。同時に腸内環境の改善については、
- 「リーキーガット」に効くサプリを、効果が高い順に5つ並べてみた
- 微生物と上手くやっていこう「パレオダイエットってなに?2015年版 #5」
- 酒を飲むと腸内環境がガッツリと悪化してしまう理由
- 腸内環境をガッツリ良くする「シンバイオティクス」のススメ
あたりが参考になるかもしれません。とにかく、ニキビができたら体内で老化が進みだした可能性がありますんで、早めの対処をおすすめしておきます。