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ミスると後悔が激増しやすい「人生の決断」とは何か?を調べた調査の話

 

オーストラリアの介護士ブロニー・ウェアさんが、かつて「死ぬ瞬間の5つの後悔」って本を出されたことがありました。緩和ケアでの経験をまとめた一冊で、人生の5大後悔としてこんな内容が挙げられておりました。

 

    1. 自分に正直な人生を生きればよかった

    2. 働きすぎなければよかった

    3. 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった

    4. 友人と連絡を取り続ければよかった

    5. 幸せをあきらめなければよかった

 

どれも切実なものばかりで、「確かに死ぬ前にはそう思うかもなー」って感じっすね。

 

  

で、近ごろシドニー工科大学などのチームも、20歳から80歳までのアメリカ人657人を対象に似たような調査(R)をしてくれておりました。どんな調査かと言いますと、

 

  1. 「人生の大きな決断」を9つのカテゴリーと58のサブカテゴリーに分類

  2. みんなに「どれが最も大きな決断でしたか?」と尋ね、トップ10個をランク付けしてもらう

 

みたいになってます。その結果はここでグラフを見ることができまして、縦軸が「決断の重要度」を、横軸が「話題にのぼりやすかった決断の種類」を意味しております。シンプルに「後悔した決断」を見るのではなくて、決断の重要度と決断の発生頻度でくらべたわけっすね。

 

 

というわけで、おおよその傾向を見てみると、

 

  • 「結婚」と「子供を持つか否か」の決断が、重要度と頻度の両方が高い

  • 頻度は低いが重要度では「死」や「自傷」に関する決断がトップ(そりゃそうですな)
  • 頻度では「新たな仕事を始める/新たな地位につく」がトップ。「学位の取得」も重要

 

という感じでして、結婚と子供でミスると一大事だなーという実にわかりやすい結論になってますね。ただし、チームは他にもいくつかの知見を挙げてまして、

 

  • 長い目で見れば、やった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きく、特に男性は「恋愛」に関してこのタイプの後悔をしやすい(あの時に声をかけておけば……みたいな)

 

  • 恋愛や家族などの社会的なコミュニティに関する判断ミスは、より大きな後悔につながりやすい

 

  • 機会損失のダメージもかなり大きい(あのとき勉強をしておけば、もっと良い会社に入れたのに……)みたいな

 

  • 自分の価値観に反した決断や、理想の自分から遠ざかるような決断も、かなり後々まで後悔が続くから気をつけや!

 

ってあたりは肝に銘じておきたいとこっすね。全体的に言えば、やはり人間は社会的な動物なので、とにかく対人関係に関する判断ミスは尾を引きやすいから気をつけよう!ってのはありそうですな。特に家族と友人に関する決断をミスるとエラいことになるので、時間をかけて判断されたし。

 

 

あとは、自分の価値観に反したものはかなり長期にわたって自分を苦しめるので、まずは自分の価値観がどんなものなのか?を明確にした上で、それに従った決断ができるようにしとくと良さげですね〜。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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