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ポリフェノールが鬱に効く? セルフタッチでストレス爆減り?センタリング瞑想でストレス対策?など、メンタルに効く最新データ3選

 

ここんとこ、メンタル改善に関するよさげなデータをいくつかチェックしたので、とくに気になった3つをまとめておきまーす。

 

 

ポリフェノールで鬱病の症状は軽減できるか?

ポリフェノールと言えば植物に含まれる抗酸化物質で、健康に良い成分として「不老長寿メソッド」でも激推ししてるわけです。

 

 

で、新しいメタ分析(R)もポリフェノールの話で、結論から言えば「ポリフェノールで鬱病が改善するのでは?」みたいになります。もともと鬱病ってのは脳が酸化ストレスや炎症でダメージを受けてるのが原因では?と言われてきたので、ポリフェノールが効く可能性は指摘されてたんですよね。

 

 

もうちょいくわしくいうと、

 

  1. 過度のストレスを感じ続ける
  2. 体内に酸化ストレスや炎症が増加する
  3. 神経細胞がダメージを受けて鬱症状が起きる!

 

みたいな流れです。ストレスが脳の神経細胞を痛めつけて、そのせいでメンタルが損なわれるのだ!って考え方ですね。

 


ということで、この研究では19件のRCTをピックアップしたうえで、鬱病と診断された1,523人の参加者にポリフェノールを飲んでもらい、鬱症状(18件)、不安(6件)、生活の質(5件)が改善するかどうかを検討してくれてます。実験の期間は1カ月から24カ月ですが、それぞれポリフェノールの種類や形態はバラバラで、メタ分析としてはやや信頼度は低めっすね。

 

 

では、分析の結果を見てみましょうー。

 

  • プラセボと比較してポリフェノールは鬱病のスコアを改善した
  • サブグループ解析の結果、なんらかの疾患がある人がイソフラボンのサプリを使った場合、鬱病の改善効果が高かった(ポリフェノールの用量は300mg/日未満)
  • 一方、ポリフェノールのサプリは、生活の質や不安のスコアを改善しなかった

 

そんなわけで、わりと良い結果が出たと言っていいんじゃないでしょうか。個人的にはいつも冷凍ベリーでポリフェノールを摂取してますけど、今後も続ける気になりますな。

 


ただし、注意点としては、鬱病に関する分析でかなりの個人差(99%)が見られてまして、果たして「メンタルに効かせるにはどのポリフェノールがいいのか?」や「どれぐらいの量を使えばいいのか?」といったあたりは不明のままだったりします。とりあえず現時点では好きなポリフェノールを好きに摂取するしかないですね。

 

 

 

スキンシップがメンタルに良いという話は昔からあって、「ハグで風邪予防ができるかもよー」なんて話もあるわけです。ハグでもマッサージでも何でもいいんですが、とにかくフィジカルタッチはストレス解消に良いらしいんですよ。

 

 

それならば「自分で自分に触れた場合はどうなのか?」ってのを調べたデータ(R)が出てておもしろかったです。

 

 

これはゲーテ大学などの調査で、平均年齢21歳の男女159人を集めてこんな実験をしてます。

 

  1. 「みんなに人前でスピーチをしてもらいます」と告げて、心理的なストレスをアップさせる

  2. スピーチに入る前に参加者を3グループにわけ、(1)20秒間のハグをしてもらう、(2)20秒間セルフタッチをしてもらう、(3)紙飛行機を作ってもらうのいずれかに割り当てる

  3. みんなのストレスレベル、心拍数、コルチゾール(ストレスホルモン)を調べる

 

ここで使われた「セルフタッチ」ってのは、片手を心臓の上に置き、もう片方の手を腹部に置いて優しくさする感じだったらしい。これを20秒で効果があるならすばらしいですねー。

 

 

その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • ハグとセルフタッチグループは、紙飛行機グループに比べてコルチゾールレベルが低かった
  • 心拍数や自己申告のストレスには、タッチ条件による違いは見られなかった

 

ということで、セルフタッチでもハグと同じぐらいストレス反応を減らす働きがあったらしい。主観的なストレスには差がないものの、体内では確実に良い変化が起きてるわけですね。

 

 

研究チームいわく、

 

他者からの接触が得られない場合や、快適に感じられない場合、自分で触ることは、ストレスに直面したときの支援や思いやりの記憶を再活性化する代替手段となる。

 

だそうで、ストレスが激しい状況では、とりあえず心臓と腹をさするのはアリかもしれませんな。

 

 

 

センタリング瞑想でストレス軽減だ!

センタリング瞑想でストレスが激しく減るぞ!みたいな話(R)が出ておりました。「センタリング瞑想?なにそれ?」って感じだったんですけど、説明を読んでみると、

 

  1. もともとはキリスト教で使われてきた瞑想法である

  2. 「平和」や「希望」といった自分が好きなフレーズやシンボルを選ぶ

  3. 選んだフレーズやシンボルに注意しながら瞑想を続ける

 

みたいな感じらしい。一点に集中するところは呼吸瞑想などと変わらんですが、その対象を自分が精神的に大事にしているものに置き換える感じですね。

 

 

で、これは150人の大学生を対象にした4週間のRCTで、そのうち半分に1日2回のセンタリング瞑想トレーニングに参加してもらったらしい(平均年齢27歳、84%が女性)。センタリング瞑想を行ったグループは、毎日朝と晩ガイド付き瞑想ビデオへのリンクが送られ、1回10分ずつのトレーニングを実践したんだそうな。

 

 

そのうえで、知覚ストレス尺度(PSS)でストレスを測定し、さらに12項目のCAMS-Rでマインドフルネスレベルを調べたところ、

 

  • みな4週間で56回の瞑想セッションのうち36回を完了し、ちゃんとトレーニングを積んだグループはストレスが減り(効果量は中程度)、マインドフルネスが向上した(効果量は小程度)

 

という結果だったそうな。ま―正直なところ、これだけだと臨床的に意味があるかどうかは不明なんですけど、すでに瞑想のトレーニングを重ねている方は、センタリング瞑想も手持ちツールのひとつに加えてみてもよさそうですね。

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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