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自分で自分の目標達成をジャマしちゃう大問題「セルフサボタージュ」はなぜ起きるのか?を判断する25問



 

セルフサボタージュって現象がございますな。これは「自分で自分に不利なことをしてしまう」って状態を指す心理現象でして、

 

  • 達成したいゴールがあるのに、あえて時間に遅れたり、重要なファイルを消したりして成功をさまたげる
  • 仲良くなりたい人がいるのに、口論をふっかけてみたり、相手を困らせるようなことを自分から遠ざける

 

ってな行動が典型的な例かと思います。自分から成功を遠ざけるような行動をとって、自らの手で全てを台無しにしちゃうわけですな。

 

 

こういう減少が起きる理由ってのはいろいろあるんですけど、よく言われるのは「生まれつきの性格の問題では?」って考え方です。ホーガン アセスメント システムズの研究(R)によると、

 

パーソナリティの問題とは、適応的でない習慣、トラブルへの対処スタイル、過去の経験から抱いた信念、他人との関わり方などによって起きる自滅的な結果を意味する。性格の内側に起因する問題は苦痛を引き起こし、学業や職業のパフォーマンスを低下させ、社会的な人間関係を損なう可能性がある。

 

とのこと。もともと私たちの中には自滅的な行動を取るようなパーソナリティが存在し、それが強い人ほどセルフサボタージュをしがちなんじゃないか、と。性格の問題って言われると取り付く島もない印象もありますけど、なんだかんだでメンタルヘルスへの影響が一番大きい要素ではありますし、近年は「ある程度までなら性格を変えることができる」って知見も多いので、「自分がセルフサボタージュを起こしがちな性格なのかどうか」を知っておくのは良いことじゃないかと思うわけです。

 

 

 

ってことで、ホーガンアセスメントの研究チームは、2つの学部生サンプル(それぞれ1197人と598人)を使って、IPRS(個人内の問題評価尺度)と呼ばれるテストを作り、その精度を検証してくれております。このテストは、セルフサボタージュをしがちな人の特性をピックアップして、それを端的に短いフレーズで表現したものでして、たとえば、

 

  • 私は自分の可能性に応えられていないのではないかと常に心配している

  • 高い目標を設定し、それを達成できないとひどい気分になる

 

ってな文章をいくつも作成。これらのフレーズをベースをもとに分析を行って、「セルフサボタージュをしがちな人にありがちな7つの原因」にまで絞り込んだんだそうな。テストのタイトルに「個人内の」とあるとおり、すべての項目は自分自身の内面の働きだけを問題にしてまして、「いかに自分で自分の問題を作ってしまうか?」ってとこにフォーカスしております。

 

 

それでは、研究チームが作成した「セルフサボタージュテスト」を見てみましょう。採点は簡単で、それぞれの項目について、0(問題なし)から3(深刻な問題あり)のスケールで評価してください。

 

  1. 小さなことですぐに動揺してしまう。

  2. すぐに泣いてしまう。

  3. すぐに怒ってしまう。

  4. 他人にすぐイライラしてしまう。

  5. 自分が無価値であると感じる。

  6. 他人と自分を比較しすぎると思う。

  7. 他の人が自分よりも優れていると感じる(例:頭がいい、見た目がいい、金持ち)。

  8. 自分を過度に批判する。

  9. 集中力が続かない。

  10. 気が散りやすい。

  11. 自分の人生で何をすべきかわからない。

  12. なにごとも先延ばしにしすぎている。

  13. 他人を騙したり、盗んだりする。

  14. パートナーや配偶者を裏切る。

  15. 危険を冒しすぎる。

  16. 規則を無視する(例:違法駐車、スピード違反)。

  17. 自発的に行動できない。

  18. チャンスを逃すことを恐れる。

  19. 優秀であろうとするあまり、無理をする。

  20. 物事を完璧にこなす必要があると思う。

  21. 新しいことに挑戦することを恐れている。

  22. 自発的に行動することができない。

  23. ファンタジーに夢中になる。

  24. 想像力が豊かすぎる。

  25. 興奮や熱意の欠如を感じる。

  26. 強い感情がない。

 

すべての採点が終わったら、以下の項目ごとに平均点を出してみてください。

 

  • 感情コントロール障害:質問1-4の平均を出す。この数値が高い人は、ストレスをうまくコントロールできない、フラストレーションに耐えられないといった問題でセルフサボタージュが起きがち

  • 内向性のトラブル:質問5-8の平均を出す。この数値が高い人は、悲しみや自己不信感のせいでセルフサボタージュが起きがち

  • 達成意欲の欠如:質問9-12の平均を出す。この数値が高い人は、自己管理能力の欠如、注意力散漫のせいでセルフサボタージュが起きがち

  • 外在化のトラブル:質問13-16の平均を出す。この数値が高い人は、セルフサボタージュを外部に行うのでタチが悪い

  • 基準の高負荷:質問17-22の平均を出す。この数値が高い人は、誇大妄想、完璧主義のせいでのせいでセルフサボタージュが起きがち

  • ファンタジー傾向:質問23-24の平均を出す。この数値が高い人は、自分の脳内の想像に引っ張られてセルフサボタージュが起きがち

  • 無気力の問題:質問25-26の平均を出す。この数値が高い人は、ただただ気力がわかない!ってことからセルフサボタージュが起きがち

 

研究のサンプルでは、1項目あたりの平均値は約2ポイントだったので、もしあなたのスコアが2から3の間だった場合は、その項目について考え直してみたほうがいいかもしんないですな(アメリカのサンプルなんで日本人だとまた違うかもですが)。

 

 

ちなみに、「自分の問題がわかったらどうすればいいの?」ってところが気になるかもですが、それにつきましては、

 

 

あたりが参考になるかと思います(有料で恐縮ですが)。どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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