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あなたは自分の仕事にやりがいが持てるように頑張れているか?をチェックする9問



 

拙著「科学的な適職」では、「いまの仕事は嫌いじゃないけどなんだかつまらないなー」って方のために、ジョブ・クラフティングって手法を紹介しております。これは、いまの仕事に「やりがい」を取り戻すために開発されたテクニックの総称で、本の中では以下のように説明してたりします。

 

「ジョブクラフティング」の定義は複雑ですが、ひとことでまとめてしまえば、

◉ 自分の仕事を価値観にもとづいてとらえ直す手法

 

のようになります。退屈で無意味にしか思えないような仕事に、あらためて深い意味を見出すのが「ジョブクラフティング」の基本です。

 

たとえば、いまの仕事にめちゃくちゃやる気を感じられていないとしても、担当できる業務を自分の意志で好きなように選ぶことができたり、違う業務だろうが自分が担当できるように交渉してみたり、自分の作業が誰かの役に立っていることが明確になったりすれば、ちょっとはやる気が出るってもんでしょう。こんな感じで、自分の意志で積極的に仕事の内容に介入していき、モチベーションを高めていくわけですな。

 

で、だいたいジョブ・クラフティングでやるべきことってのは、

 

  1. 構造的な仕事の資源の向上「自分の能力を高めるために努力して、仕事で自分のスキルを生かすようにできるか?」

  2. 妨害的な仕事の要求度の低減「ネガティブな感情をコントロールし、そのような気分を起こさせる人との関わりを避けられるか? 」

  3. 対人関係における仕事の資源の向上「上司や仲間たちと職場で良い関係を築くことができるか? 」

  4. 挑戦的な仕事の要求度の向上「ある程度の難易度を持った仕事に対して、積極的に取り組めるようにできるか?」

 

みたいになります。要するにジョブ・クラフティングってのは、仕事の意義を高めるために人間関係や仕事の内容を自分で改善して、仕事を前向きに変化させる作業なわけっすね。

 

 

ということで、「科学的な適職」では、自分がジョブ・クラフティングをできているのかどうかを調べるために「ジョブクラフティング尺度」ってのを紹介しております。これは21問で構成されたテストで、質問に答えていくことにより、「自分がやってることが本当に仕事の幸福度アップに役立っているか?」を計測できるようになっております。

 

 

が、21の質問に答えるってのはわりと手間ではありますんで、ここでは新たに9の質問で判断ができるジョブ・クラフティング尺度(R)をご紹介しましょう。これは京大や香川大の先生方が開発したもので、たった9問ではありますが、ジョブ・クラフティングを初めて提唱したイエール大学のエイミー・ヴェジェスニエフスキー 先生らのオリジナルな定義(R)に近くて、個人的には「こりゃ使えそうですな!」って印象を受けました。

 

 

使い方は簡単で、以下の9問について「まったく実行していない=1点」〜「完全に実行している=7点」の範囲で採点していただければ幸いです。

 

  1.  仕事をしやすくするために必要な作業を追加したり不必要な作業を減らしたりする

  2.  必要と感じれば新たな作業を自分の仕事に加える

  3.  仕事の中身や作業手順を自分が望ましいと思うように変更する

  4.  仕事を通じて積極的に人と関わる

  5.  仕事を通じて関わる人の数を増やしていく

  6.  仕事で関係する人々の状況を把握し、相手の便宜をはかる

  7.  自分の担当する仕事を見つめ直すことによって、やりがいのある仕事に見立てる

  8.  自分の担当する仕事を単なる作業の集まりではなく、全体として意味のあるものだと考える

  9.  自分の担当する仕事の目的がより社会的に意義のあるものであると捉えなおす

 

採点が終わったら、以下のように判断してくださいませ。

 

  • 作業クラフティング:質問1〜3の点数の平均を出す。仕事を楽しくするために、日々の作業を適切に調整できているかを表す

  • 関係クラフティング:質問4〜6の点数の平均を出す。仕事を楽しくするために、職場の人間関係を改善できているかを表す

  • 認知クラフティング:質問7〜9の点数の平均を出す。仕事を楽しくするために、仕事に対する考え方を最適化できているかを表す

 

それぞれの点数には「何点以上だったらよい」みたいな基準はないんですけど、ざっくり3点以下の項目には要注意かなーと思うわけです。点数をながめつつ、「あー、自分は対人関係の改善が弱いんだな……」とか「作業量の調整ができてないんだな……」みたいに判断するためのチェックリストにょうに使っていただければと。個人的には認知系はよく出来てるんですけど、やっぱ人間関係に問題がありますねぇ……。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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