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バズるために必要なのは「感情のボラティリティ」だ!という研究がおもしろい話

 


コンテンツを魅力的にする要素ってなに?」ってタイトルの研究(R)がおもしろかったんで、内容を知っておくと便利そうです。

 

この研究は、タイトルどおり「バズを起こしやすいコンテンツは何が違うのか?」を調べたもので、

 

  • なんで特定の映画が爆発的なヒットを巻き起こすのか?

 

ってポイントを主に追求しております。ちょっと前の「ジョーカー」や、だいぶ前の「パラノーマル・アクティビティ」みたいに、社会現象になるような作品ってのは、なにが目立った特徴があるのかって問題っすね。

 

その謎を解くために、研究チームは、1981年から2013年までに公開された映画を4,000本ぐらいピックアップして、すべての脚本を調査。テキスト分析アルゴリズムを使って、映画の中で「どんな感情の動きが起きていたか?」ってとこを調べたんだそうな。

 

そこでわかったことを簡単にまとめると、こんな風になります。

 

  • 感情のボラティリティが高い作品ほどバズる!

 

「感情のボラティリティ」は、ポジティブな感情とネガティブな感情が変わる頻度として定義されてまして、ひとつの作品のなかで良い体験と嫌な体験を交互に味わえる回数が多いときほど、私たちは「この映画はおもしろい!」と感じやすいんだそうな。

 

ざっくりと整理すると、

 

  • 感情のボラティリティが高い物語=主人公に良いことが起こり、次に悪いことが起こり、次に良いことが起こり、次に悪いことが起こる。

  • 感情のボラティリティが低い物語=主人公に良いことが起こり、また良いことが起こり、さらに良いことが起こり、次に悪いことが続く。

 

って感じになります。例えば、すごーく極端なシナリオで比較してみると、以下のようになるでしょう。

 

  • 感情のボラティリティが高い文章:「朝は快晴で幸せだったが、昼に大雨が降り落ち込んだ。夕方には虹が出て嬉しくなったが、夜には友達と喧嘩して悲しかった。」

  • 感情のボラティリティが低い文章:「今日は朝から夕方までずっと晴れで幸福だったが、夜には友達と喧嘩した。」

 

なんかバカみたいな例ですみませんが、まぁ感情のボラティリティが低い文章のほうが味気なく感じられるのは、おわかりいただけるんじゃないでしょうか。要するに、似たような感情を呼び起こすシーンが連続するほど、その作品は感情のボラティリティが低いと考えられ、作品の魅力度も下がっちゃうわけですね。

 

では、もうちょい具体的に、見てみましょう。この分析では、感情のボラティリティに応じて、以下のような結果も出ております。

 

  • 映画における感情のボラティリティが大きければ大きいほど、IMDBの観客評価スコアが高くなり、興行収入も増加する傾向が見られた。
  • この効果は、特にミステリー、ホラー、ファンタジー映画に当てはまり、スポーツ、音楽、ドキュメンタリーにはあまり当てはまらなかった。しかし、それでも全体的に見ると、感情のボラティリティが大きいほど、映画に夢中になる人の数が増えた。

 

みたいな結果になってます。とにかく、感情のボラティリティが高い作品ほど、より成功する傾向があるわけですね。

 

ちなみに、研究チームは、この効果を実験的にも再現してまして、オンラインのニュース記事を、感情のボラティリティが大きくなるように並べ替えて、参加者の反応が変わるのかどうかもチェックしてたりします。その結果は映画と同じで、やはり感情のボラティリティが大きい記事ほど、参加者は熱心に読みこむようになったんだそうな。

 

ということで、もしあなたが今なんらかのコンテンツを作っているのなら、作品のなかにちょっとした感情のボラティリティを加えてみると良いかもしれません。いくつか事例を考えてみると、

 

  • ブログ記事を書くときは、ポジティブな出来事(成功体験)とネガティブな出来事(失敗や困難)を、何度も交互に取り上げてみる。見出しや中見出しを作るときも、感情の変動を示す言葉を使用する(「思わず涙した瞬間から、大笑いした瞬間まで」みたいな)。

 

  • 動画コンテンツを作るときは、感動的なシーン、緊張感のあるシーン、そしてユーモラスなシーンをガンガンに交互に配置する。それと同時に、シーンごとに異なる感情を引き起こす音楽を使い分け、視覚と聴覚の両面から感情のボラティリティを高める。

 

  • プレゼンテーションをするときも、成功事例と失敗事例を交互に紹介し、そこから何を学ぶことができたのかを強調する。スライドの色や画像を使って、話の内容に応じた感情の変化を視覚的に表現しておく。

 

  • ミーティングのときは、ポジティブな話題(成果報告)と改善が必要な話題(課題報告)を交互に取り上げることで、感情のボラティリティを高めてみる。

 

  • ソーシャルメディアを使うときも、ポジティブな投稿(顧客の成功事例やポジティブなレビュー)とネガティブな投稿(改善の要望や課題)をバランスよく交互にシェアして、感情のボラティリティを高める。

 

みたいなことが考えられるんじゃないでしょうか。これは自分でも心がけていこう……。


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