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本当は怖すぎる「女性ホルモン増えすぎ」問題 #1

Girl 517

 

こないだ、女性ホルモンが増えすぎて元気がなくなるケースについて軽くふれたところ、「もっとくわしく!」との声がありましたので、もうちょっと書いてみます。

 

 

女性ホルモンの過剰で起こる怖すぎる症状

女性ホルモンの増えすぎ問題は、俗に「エストロゲン過剰」とか呼ばれております。その名のとおりエストロゲンが他のホルモン(特に黄体ホルモン)より多くなってしまう現象で、女性はもちろん男性にも関係しております。

 

 

この状態にハマっちゃうと代謝がガンガン落ちていきますんで、

 

  • やたら体温が低くなる
  • 腹まわりの脂肪がどんどん増える
  • 気分の浮き沈みが激しくなる
  • ささいなことでメンタルが傷つきやすくなる
  • 生理痛がヒドくなる
  • 性欲が減る

 

みたいなことになりがち。これは男性も同じで、体温の低下や体脂肪の増加などが起きやすくなっちゃうんですな。

 

 

これがヒドくなると、乳がんや子宮頸がんにもつながっていくんで、女性の死亡率を高める大きな原因のひとつとも考えられております。恐ろしいですなぁ。



 

女性ホルモンが増えすぎちゃう5大原因

女性ホルモンが増えすぎちゃう原因はいろいろありまして、なかなか特定が難しいところではあります。とりあえず代表的なものをあげていきましょう。

 

 

1.とりあえず体脂肪が多い

なにはともあれ1番の原因は肥満でしょう。というのもの、脂肪細胞には、男性ホルモンを女性ホルモンに変える働きがあるんですよ。

 

 

そのため、体脂肪が増えれば増えるほど、エストロゲンが増えていくことに。いっぽうで黄体ホルモンには変化が出ないんで、どんどんバランスが崩れていっちゃうんですね。

 

 

そんなわけで、まずは体脂肪を減らすのが先決。「慢性炎症を極限まで抑えるためのガイドライン」にも書いたとおり、女性は体脂肪を22%以下、男性は体脂肪を15%以下に減らすが目安になります。

 

 

.肝臓を痛めつけている

肝臓はデトックスに欠かせない器官でして、実は古くなったエストロゲンを掃除する働きもしております。なので、肝臓に負担をかけていると、自然とエストロゲンも増えていきがち。

 

  • 酒の飲み過ぎ
  • カロリーのとりすぎ
  • 加工食品のとりすぎ

 

といった状態が続くと、エストロゲンの掃除があとまわしになっちゃうんですな。

 

 

ちなみに、この現象は男性のほうが起きやすいのがおもしろいところ。酒量が多い男性ほどおっぱいがふくらみがちなのは、肝臓ダメージによるエストロゲンの増加も大きな原因と考えられております。

 

 

.ストレス多すぎ

ストレスはいろんなホルモンに影響をあたえますけど、特に女性の場合は精神的なプレッシャーで黄体ホルモンが減りがち。具体的には、

 

  1. ストレスを感じる
  2. 脳が「ストレスホルモンを作れ!」と命令を出す
  3. 本来は黄体ホルモンを作るための材料が、ストレスホルモンのほうに回されれる
  4. 黄体ホルモンが減る
  5. エストロゲンとのバランスが崩壊!

 

みたいな流れ。ストレスはいろんな方向から体にダメージを与えますが、エストロゲン過剰も大きな原因のひとつになってるんですね。

 

 

.植物性エストロゲンのとりすぎ

植物性エストロゲンは、女性ホルモンに似た構造を持つ成分。体内で女性ホルモンと同じような働きをすることがわかっております。イソフラボンとかが有名ですね。

 

 

もちろん体内の働きは女性ホルモンにくらべて弱いものの、とりすぎればエストロゲン過剰の原因になっちゃう。

 

 

もっとも植物性エストロゲンが多いのは豆類で、豆腐や納豆、豆乳、ソイプロテインなんかも同じ。ほかにもニンニク、ナッツ類、ブロッコリー、タマネギなんかにも多かったりします。エストロゲン過剰の疑いがある方は、このへんの食品はひかえてみるといいかも。

 

 

.食物繊維をとらなさすぎ

エストロゲンが肝臓で掃除されるのは上述のとおり。しかし、それでも残っちゃったエストロゲンは、実は腸内細菌がお掃除してくれております。

 

 

実際、多くのデータをみても、普段から食物繊維をとらない人ほどエストロゲンが増えやすいのは間違いないところ。具体的な流れを申し上げますと、

 

  1. 食物繊維をとらない
  2. 腸内細菌が飢えて死ぬ
  3. あまったエストロゲンが処理されなくなる
  4. 腸からエストロゲンが再吸収される
  5. エストロゲン増えすぎ!

 

みたいな感じです。ホント、腸内細菌ってのは働きモノですなぁ。

 

 

まとめ

そんなわけで、男女を問わずに症状が多い「女性ホルモン過剰」の罠をみてみました。低体温に悩む女性は少なくないですが、話を聞いていると「エストロゲンじゃない?」と思うケースはよくあったりします。

 

 

ちなみに、思ったより文章が長くなってしまったんで、さらに具体的な対策については別エントリをもうける予定。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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