女性がハマりがちな「テストステロン」の罠
女性とテストステロンの問題について、ご質問をいただきました。
鈴木さんが度々書かれているテストステロンは大事!というお話で、 女性にも必要なものだと認識しているのですが、当方女性ということもあり、 あまり男性ホルモンが増えても…という気持ちがあります。
そのため、意識的にテストステロンを上昇させる、減少させないことに抵抗を感じています。
鈴木さんの書かれているテストステロンの記事は、女性も同じように考えて差し支えないのでしょうか。 それとも、女性は普通に生活している分で問題ないのでしょうか。
とのこと。確かに当ブログでは「テストステロンは大事!」って話をよく書いてますねぇ。
女性もテストステロンの働きは同じ
テストステロンはメンタルヘルスや筋肉、性欲なんかを調整してるホルモンで、その働きは男性でも女性でも変わりません。なので、テストステロンの変化による不調は、女性でも同じように起こるはず。
もちろん、具体的な対策についても男女に差はありません。「テストステロンを増やす方法25選」に書いたように、カラダにいいものを食べて、ちゃんと眠ってストレスを減らし、適度な運動をしておけば、自動的にテストステロンは最適なレベルに落ち着きます。
要するに、普通に健康的な暮らしさえすれば、あとはカラダの自然な働きにまかせるだけでOK。男性だろうが女性だろうが、「意識的にテストステロンをコントロールして大丈夫だろうか…」と心配する必要はありません。
女性がハマりがちなテストステロンの罠
とはいえ、わたしが見てきたところでは、女性がハマりがちな「テストステロンの罠」もあるように思います。女性に特有のライフスタイルやホルモンバランスの影響で、テストステロンが乱れてしまうケースですね。そのへんを見ていきましょうー。
▼テストステロン低下の罠
- 低脂肪食の罠:高カロリーな食事を避けようとして、必要なぶんの脂肪が足りなくなっちゃうパターン。脂肪はテストステロンの材料になりますんで、最低でも1日30gはとっておきたいところ。具体的には、カロリーの質が高い脂肪とフルーツを食べよう!で取り上げた食材を取り入れていただければ。
- 女性ホルモン過剰の罠:女性ホルモンには、テストステロンの活力を奪う作用があったりします。そのため、体内のエストロゲンが多いとテストステロンが効かなくなってしまいがち。
- 酒の飲み過ぎ
- 砂糖のとりすぎ
- 加工食品のとりすぎ
- 食物繊維が少なすぎ
- 豆類のとりすぎ(納豆やら豆乳やら枝豆やら)
基本的には、肝臓の負担を避けて、必要以上に植物性エストロゲンが多い食品を口にしないのが大事。あとは低カロリーな食事になりすぎなければ、女性の場合、そこまでテストステロンが下がるケースは少ないかと思います。
▼テストステロン増加の罠
過ぎたるは及ばざるがごとしで、もちろんテストステロンが増えすぎれば悪影響は出ます。特に女性は悪影響を受けやすくて、
- 不妊
- PCOS(多嚢胞性卵巣症候群 )
- てっぺんハゲ
- 性欲の減退
といった症状が起きやすくなります。
が、普通の生活をしている限りは、テストステロンが増えすぎて困る!って事態は男女を問わず少ないはず。前述のとおり、カラダが自然に最適なテストステロン量を調整してくれますんで。
そんななか、唯一よく見かけるのが、「運動のあとに食事をしない」パターンであります。エクササイズの直後は栄養補給が絶対に必要なのに、体脂肪を減らそうとして何も口にしないケースであります。
運動でテストステロンが増えるのは何度か書いたとおりなんですが、1990年代に行われた実験(1,2)を見てますと、エクササイズのあとに何も食べないと、テストステロンが高止まりしちゃう傾向があるんですね。
もちろん、たまになら問題はないでしょうが、運動のあとに何も食べない状態を定期的にくり返すと、長期的にテストステロンが増えすぎてしまう可能性が大。多くの研究によれば、
- エクササイズの30〜60分以内に消化がいいものを口にする(バナナとか)
- エクササイズ後の食事はタンパク質と炭水化物の比率が1:3ぐらいを目指す
のが良いって結果が出てますんで、そのへんを守っていただければと。
まとめ
そんなわけで、以上の話をまとめると、
- 普通に健康的な暮らしをしてれば、女性でも特にテストステロンを心配しなくてOK
- ただし、極端な低脂肪食や低カロリー食、エクササイズ後の食事には要注意!
って感じです。とくに女性のカラダはカロリーの変化に敏感なので、そのあたりは男性より気を配ったほうがいいでしょうねー。