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科学が認める唯一のスーパーフード、それは「発酵食品」

Gimchi1

 

当ブログでは、スーパーフードと呼ばれる食品をディスることが多いです。最近だとチアシードとかタイガーナッツとか。

 

 

本当に健康になりたいなら、カロリーの質が高いものをまんべんなく食べるしかないんで、特定の食品をひとつやふたつ増やしたところで意味がないのも当然でしょう。

 

 

人類と発酵食品は旧石器時代からの付き合い 

そんななか、限りなくスーパーフードと呼んでもよさげのが、「発酵食品」であります。なにせ現代人は腸内環境が壊れぎみなケースが多いんで、発酵食品のメリットを受けやすいんじゃなかろうか、と。

 

 

もちろん、パレオダイエット的にも発酵食品はベーシックな食材のひとつ。たとえば2014年にハーバード大がまとめたレビュー論文によりますと、

 

旧石器時代の人類は、知らずのうちに自然に発酵した食品をたくさん食べていた(ハチミツ、フルーツ、ベリー類、果汁など)。微生物の知識こそなかったが、わたしたちの祖先は、発酵食品や発酵飲料の風味と保存性、さらには精神を刺激したり落ち着かせる作用に気づいていた。

 

そのため、発酵食品は人類史のさまざまな場面で活躍した。栄養補給はもちろん、伝統的な医薬品や儀式などにも使われてきた。実際に人類が発酵食品を作り始めた時期はよくわからないが、新石器時代の出土品を化学分析した結果によれば、1万年前にはフルーツや米、ハチミツなどを発酵させた酒を醸造していた可能性が高い。

 

とのこと。人類と発酵食品は、旧石器時代からの長いつきあいなわけですね。こりゃあ食べるしかないでしょう。

 



 

発酵食品がもたらす4つの凄いメリット

では、現時点で発酵食品のメリットはどこまで確認されているかというと…

 

 

.とりあえずリーキーガットには効きそう

上記のレビュー論文によれば、発酵食品は腸壁のバリア機能を調整してくれるようなんで、とりあえずリーキーガットには効果が高そう。

 

 

その結果、体内に毒素やバクテリアが入り込むのをふせぐほか、すでに腸内に住み着いている細菌に遺伝子を受け渡す役割も果たしてくれる模様。

 

 

ただし納豆や漬物みたいに特定の発酵食品ばっかり食べてると、幅広い種類の細菌がゲットできないので、キムチやザワークラウトなどいろんなタイプを食べたほうがいいみたい。できれば自分で作っちゃったほうが、細菌の多様性って意味ではさらにベター。

 

 

.メンタルヘルスにもかなり良さそう

ちょっと前に「発酵食品でコミュ障が治るかも!」ってデータが出てましたけど、ハーバード論文でも、発酵食品のメンタル改善効果はかなりプッシュされております。近ごろはプロバイオティクスで気分が良くなるって実験も多いんで、発酵食品がメンタルに効いてもまぁ不思議はないかな、と。

 

 

ハーバード論文いわく、

 

(発酵食品が脳の健康にいいのは)カラダの抗酸化と抗炎症機能が高くなるのが原因だ。リーキーガットが減ったおかげでLPS(毒素)の悪影響が少なくなり、血糖のコントロール能力もあがり、栄養の状態も改善する。

 

その結果として、神経伝達物質の生産量が増え、GABAのように活性の高い物質が多く作られる。腸内細菌がよくなれば、腸と脳のコミュニケーションもよくなるのだ。

 

とのこと。すごい絶賛ぶりですねぇ。

 

 

.美肌効果もそこそこ期待できそう

ここ数年、肌トラブルの原因ってリーキーガットじゃないの?ってデータが増えております(2)。ニキビや肌荒れが多い人を調べると、たいてい腸にトラブルを抱えてるケースが多いんですね。

 

 

腸が荒れると肌も荒れちゃう理由は、リーキーガットでうつ病が起きる仕組みと同じ。

 

  1. 腸に空いた穴から毒素が漏れる
  2. 毒素で全身に炎症が起きる
  3. 湿疹と吹き出物が爆発!

 

 みたいな感じ。お肌は腸内環境を映しだす鏡みたいなもんなんですね。

 

 

といっても、発酵食品と美肌の関係をチェックした研究がまだ少ないんで、どこまで肌トラブルの改善に役立つかは不明。可能性はかなり高めなんで、とりあえず美容効果を狙って食べておいて損はないと思いますが。

 

 

.肥満の予防にもなりそう

腸内細菌と肥満の関係も、ここ数年の熱いトピック。以前にダイエットに役立つ(かもしれない)プロバイオティクスをいくつか紹介しましたが、発酵食品でもいくつかおもしろいデータがでております。

 

  • 糖尿ぎみな男女21名に8週間ほどキムチを食べてもらったら、インスリン抵抗性が改善し、BMIも有意に下がった(2013年,3)
  • 肥満の男女22名にキムチを4週間食べてもらったら、体脂肪や血圧が改善した(2010年,4)

 

 いずれも、BMIの数値が高めの参加者には、キムチで体脂肪が減る効果が出たそうな。これも、発酵食品で炎症が減るのが原因だと考えられております。

 

 

もちろん、すでにBMIが低め(25以下ぐらい?)だとダイエット効果は出なそうですが、とりあえず肥満の予防に食べておくのもよさげですな。

 

 

 

 まとめ

というわけで、いずれもまだ初歩の段階ではありますが、それぞれ期待が持てる結果が出ております。特にカラダの炎症を抑える効果については証拠が多いんで、かなり信頼できるアンチエイジングフードと言っていいんじゃないでしょうか。

 

 

ちなみに、発酵食品はなんでもいいですが、いまのところもっとも研究データが多いのはキムチであります。どれかひとつだけ選ぶなら、とりあえずキムチを食べておくとよさげです。わたしの場合は、基本的にぬか漬け・キムチ・ザワークラウトのトリプルヘッダーで回しております(笑)


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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