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ついリップスティックを塗りすぎてしまう「リップスティック依存症」の正体とは?

Lip

  

リップスティックに関するご質問をいただきました。

 

いつもこの季節は唇が乾くので、メンソレータムのリップスティックを使い過ぎてしまいます。ネットを見ると塗り過ぎは良くないとのことで気になります。リップスティック依存症との言葉もあるようです。実際リップスティックは良くないのでしょうか?

 

とのこと。わたしもアレルギー持ちのせいで唇は乾きまくりでして、リップスティックが手放せませない日々を送っております。確かに気になりますねぇ。

 

 

なぜリップスティックは使いすぎてしまうのか?

では、まずはついリップスティックを使いすぎちゃう原因から。

 

 

ご存じのとおり唇の皮膚は他よりも薄く、激しいターンオーバーをくり返す部位であります。そのため、最下層で作られた皮膚は表皮にたどり着くまでに、少しずつ水分を失っていきくんですね。で、表皮の乾きを最下層の細胞が察知して、さらに新しい皮膚を作り始めるわけです。

 

 

ところが、ここでリップスティックを塗ると唇が「まだ皮膚は乾いていない!」と思い込むので、「新たな皮膚を作れ!」って命令が最下層の細胞に行かなくなっちゃう。すると、リップスティックの効果が切れると同時に、すぐに唇の乾いた感覚がよみがえってくるわけです(1)。つまり、リップスティックは皮膚の自然な再生をジャマしてるんですな。

 



 

リップスティック無限地獄が「依存症」に見える

以上の流れを簡単に言うと。

 

  1. リップスティックを塗る
  2. 唇が「まだ水分がある!」と誤解する
  3. 最下層の皮膚が新たな細胞を作らなくなる
  4. リップスティックの効果が切れる
  5. 新たな細胞がないのですぐに乾きが襲ってくる
  6. 1に戻って繰り返し

 

という無限ループになっております。この状態が「依存症」のように見えてるんだと思います。

 

 

ちなみに、リップスティックに使われる成分(メントールとかフェノールとか)は、一部の人に軽度の炎症を引き起こす可能性もあったりします。この症状はリップスティックを使う回数が多くなるほど悪化していくのでご注意ください(2)。

 

 

まとめ

そんなわけで、リップスティック依存の正体を見てみました。まぁそこまで大きな問題でもないんで、「唇が乾いて死にそうだ!」ってときは普通に使えばいいんじゃないでしょうか。その際の注意点としては、

 

  • 症状が悪化するだけなので唇を舌でなめるのは避ける
  • できればワセリンやミツロウなどを使ったシンプルなリップスティックを選ぶ
  • メントール、フェノール、樟脳などが入った商品は避けたほうがいいかも

 

といったところ。個人的にはSierra Beesのリップバームあたりが好き。

 

 

Image credit: shutterstock


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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