「がんばってるのに体重が減らなくなった!」ときにありがちな5つのパターンと、その対処法
「がんばってるのに痩せないんです…」といった相談を何回か受けてきたところ、典型的なパターンがいくつかあるなーと思いましてね。ヒトが太る原因は以前にまとめたとおりですが、いざ具体的なライフスタイルに当てはめてみると、どういった対処法を取ればいいのかわからなくなりがちみたいです。
そんなわけで、体重が停滞したときにありがちなパターンと、その対処法をまとめてみましょう。
パターン1.運動しまくってるのに体重が減らない!
筋トレやランニングをしまくってるのに痩せない!というパターン。原因はいくつか考えられますが、まずは以下の対策をお試しください。
- 運動量を減らす:運動のしすぎはホルモンバランスを崩して、痩せにくい体の原因になっちゃう。オーバートレーニングの目安は個人の体力によって違うものの、週に5日もジムに通うのは間違いなくムダであります。疲れた体にむち打って運動をしてる実感があれば、まずはちゃんと休みましょう。
- 炭水化物を増やす:運動と糖質制限はかなり相性が悪いです。糖質を減らしても運動はできる!って主張もありますが、それは遺伝的に恵まれた一部のエリートの話なんでご注意ください。ほとんどの人は運動中に大量の糖質を使うため、炭水化物を食べないと体が動かないようにできております。糖質を増やすのが不安なときは、1回あたり20gずつ加えていきましょう。
- もっと眠る:運動をしまくっても、ちゃんと休息を取らないと体重は減りません。睡眠不足だと筋肉の成長やエネルギーの補給がうまくいかず、ストレスホルモンが高止まりしちゃうんですね。「狩猟採集民のように眠る」を参考に睡眠の改善を目指しましょう。
- 体脂肪率を記録する:筋肉が増えたせいで体重に変化が出ないパターン。その場合は体脂肪が減ってるはずなので、体組成計などでチェックしましょう。
パターン2.糖質を減らしまくってるのに体重が減らない!
がんばって糖質をゼロに近づけても痩せない!というパターン。これまた原因はいろいろありますんで、以下の対策をチェックしてみましょう。
- 糖質を少しずつ増やす:長いあいだ糖質を減らていしていると、レプチンやT3といったホルモンに影響がでて痩せなくなりがち。「目的別『ベストな糖質摂取量』ガイド」を参考に、1日の糖質量を15〜30%まで増やしましょう。いったん糖質制限をすると「炭水化物なんか増やしたら太っちゃうんじゃ…」といった不安が起きそうですが、そもそも糖質そのものは体脂肪の増加と関係がないので、安心していただければと思います。
- カーボサイクリングを試す:糖質を増やしても効果がないときは、カーボサイクリングを試してみましょう。あらかじめ決めた期間だけ大量の炭水化物を食べる方法で、週に2日ぐらい150〜200gの糖質をとる日を作ればOKです。大量の炭水化物にはレプチンを増やす効果がありまして、低糖質で下がった代謝を再びアップしてくれるはず。
- 脂肪の摂取量を減らす:いくら糖質を減らそうが、脂肪の摂取量が多ければ体重は減りません。低脂肪食とまではいかずとも、総摂取カロリーの50%ぐらいまでにしておきたいところです。
- タンパク質の量を増やす:糖質制限ダイエットで痩せるのは、タンパク質の量が増えたせいで食欲が減るのが原因と考えられています。要はタンパク質を増やすほうが大事なので、「ダイエットのための『タンパク質』摂取量ガイドライン」を参考にするか、体重(kg) × 1.6gの量を食べればOKです。
- 摂取カロリーを数えてみる:当然ながら、いくら糖質を減らそうが摂取カロリーが多いと痩せません。たんに食べ過ぎで痩せないケースは意外なほど多いんで、カロリーを計算してみるのもいいかも。
- 野菜を増やす:糖質制限ダイエッターにありがちなのが、栄養不足で太っちゃうパターン。糖質を減らしたせいで安心して栄養のバランスが乱れちゃったわけですね。その場合は、とりあえず葉物野菜を増やすのが吉であります。
パターン3.しつこい脂肪が減らない!
痩せはしたものの、体の一部に脂肪が残るパターン。男性なら腹まわり、女性なら太ももや尻が多いかと思います。以下の対策をどうぞ。
- カフェイン+ウォーキング:もともと腹まわりの脂肪は分解されにくいので、本格的に落とそうと思ったらストレスホルモンの助けが必要になります。そのためにはカフェインとウォーキングの組み合わせで体に軽いストレスを与えるのが大事。これで体脂肪を溶かすスイッチがオンになりますんで。ただし、もともとカロリー制限や糖質制限ダイエットを行っている場合は、すでに体に大きなストレスがかかってますんで止めておきましょう。
- HIIT:こちらも体に短時間のストレスを与える方法。アドレナリンを増やす作用が高く、しつこい脂肪に効いてくれます。具体的な方法は「いまさら聞けない『HIIT』入門」をどうぞ。
- プチ断食をする:16〜24時間だけ完全に食を断つのも、体に適度のストレスを与えてくれます。具体的な方法は「科学的に痩せる『プチ断食』超入門」をどうぞ。ただし女性の場合はプチ断食でトラブルが起きるケースもあるんで、あくまで体調と相談のうえ実践してくださいませ。
- プチ糖質制限をする:糖質制限も体にストレスがかかりますんで、短い間であればしつこい脂肪を減らすには有効。トレーニングの日だけ糖質をちゃんと食べ、休息日には糖質をカットするといった方法が定番であります。
- もっと眠る:適度なストレスはしつこい脂肪を減らしてくれますが、慢性的なストレスは逆に脂肪を増やしてしまいます。心当たりがあるときは、睡眠時間を増やすかマインドフルネス瞑想でストレス対策にはげみましょう。ストレスに効くハーブを使うのもアリ。
パターン4.どうしても食欲に負けてしまう!
いろいろやってるものの、食欲に負けて体重が減らないパターン。こちらも原因はさまざまですんで、以下の対策をチェックしてみましょう。
- タンパク質を増やす:タンパク質はもっとも満足度が高い栄養素なんで、食欲に困ったらまず量を増やしてみるのが吉。多くの実験で食欲を抑える効果が確認されております。
- 日中に太陽の光を浴びる:太陽の光を浴びないと睡眠の質が下がりますんで、結果として食欲が大幅にアップ。特にジャンクフードへの欲求が増すので、くれぐれもご注意ください。当然ながら寝る前にブルーライトを浴びるのもNGであります。
- ストレスを減らす:過食については、生理的な理由よりも心理的な問題が原因で過食が起きるケースのほうが多めです。これは対策が難しいんですが、まずは食事日記をつけて自分のストレス食いの傾向をチェック。マインドフル瞑想やマインドフルネスバス、認知行動療法などで架空の食欲をやりすごす方法を学んでいくしかないでしょう。マジメにやると1年ぐらいの長期戦になるかも。
パターン5.そもそも痩せてる
すでに痩せてるのに「もっと体重を減らさないと!」と思ってしまうパターン。いったん最適なレベルまで痩せると、ヒトの体はセットポイントが起動して一気に体重が落ちなくなります。こうなるとカロリー制限しか手はありませんが、体に悪いのでオススメしません。対策は以下をどうぞ。
- 体脂肪率をチェックする:自分の体重が最適レベルかどうかを判断するには、体脂肪率をチェックするのが一番です。男性は体脂肪率が10−12%、女性は20−22%ぐらいがベスト。これより痩せようと思ったら、かなりストイックな食事制限が必要になってきます。モデルや俳優なら別ですが、体へのダメージが大きいので一般人にはオススメできません。さらにくわしくは「見た目で体脂肪率を判断するためのガイドライン」をどうぞ。
- 体重計に乗るのを止める:体脂肪が上記のレベルに達したら、もう体重計に乗らなくてもまず大丈夫。もはやそう簡単には太らないはずなんで、毎日の体重チェックで一喜一憂するのを止めたほうが精神的に良いかと思います。
- リラックス!リラックス!:まず「自分はもう痩せなくてもいい!」と理解するのが第一歩。それでも焦りや不安が消えないときは、考え方にゆがみが出てる可能性がありますんで、マインドフル瞑想や認知行動療法などで自分の誤った思考を正していくしかないでしょう。具体的には、「認知療法で二度と太らない心と体をつくる」などをご参照ください。
まとめ
そんなわけでいろいろ見てきましたが、あとは自分の体で実験してみるのが大事。
- 主観的な食欲
- カロリー摂取量
- 体重
- 体脂肪率
といった数値を参考に「自分が痩せない理由」の仮説を立てて、実験で確認していきましょう。あくまで深刻にならず、自分の体と遊ぶゲームだと思って試していただければと思います。自分を勇者に見立てて、「体重」というラスボスを倒すためのゲームのイメージでやったほうが長続きしますんで。