頭が良い人ほど「孤独」になる理由
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/03/blog-post_29.html?m=0
いまの心理学では「友だちが多いと幸せになる!」が常識なんですが、最近出た論文(1)では「頭が良い人は友だちが多いと不幸になる!」って結論になってておもしろかったです。
これはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究で、およそ15,000人の参加者を長期にわたって調べたもの。その結果、まずわかったのは、
- 一般的には、友だちと遊ぶ回数が多い人ほど人生の満足度は高い
- 都市部に住む人よりも、田舎に住む人のほうが幸福度は高い
みたいな感じ。これは以前から言われてきたことでして、通常は「ヒトの脳が原始時代の環境に適応したから」と説明されております。
つまり、
- 原始時代には小さなコミュニティしかなく、多くても150人の知り合いしかいなかった
- そのため、ヒトの脳は最大で150人ぐらいの環境でうまく働くように進化した
- 田舎では顔見知りしかいないので脳がスムーズに働く
- 都市部では周囲が知らない人だらけなので脳がストレスを感じる
- 都市に住むと不幸に!
みたいな流れです。ヒトの脳は大都市のコミュニケーションに慣れてないわけですね。
ところが今回の研究によれば、知性が高い人に限ってはこの法則が当てはまらず、なぜか友だちが多いほど人生の満足度が低くなる傾向があったんだそうな。
これは解釈が難しいところですが、研究者は「知性が高い人は大きな目標に幸福を感じるから」って説を主張しております。
どういうことかと言うと、
- 知性が高い人は、より大きな人生の目的を持ちやすい(起業とか学問の追求とか)
- そのため、たんに友だちと遊ぶだけでは満足できなくなる
- どころか、友だちが多いと人生の目的を達成するジャマになる
- 友だちが増えると不幸に!
といった感じです。なんとなくわかる気もしますが、この解釈が正しいかどうかは不明。「IQが高い人ほど気分の浮き沈みが激い」ってデータもあるんで、たんに頭が良い人は性格が悪いせいで友だちができないだけかもしれませんしね。
いずれにせよ、わたしのように友だちが少ない人にとっては、「自分は大きな目標に向かっているだけなのだ!」という言い訳の材料がひとつ増えた感じですかね(笑)