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酒の喜びは一瞬!長期的には人生の満足度を下げる!という研究

Drinking 925288 

 

 アルコールと幸福度の関係を調べた

酒を完全に止めて2年が経ちましたが、いまだに親戚から「それで人生楽しいの?」とか言われたりするわけです。

 

 

が、個人的には酒を止めて幸福度が下がった実感はなく、酒の席にお茶で参加しても違和感はなし。もはや酒を飲む楽しさすら記憶の彼方だったりします。

 

 

そんなことを思ってたら、近ごろ「酒の喜びは一瞬!長期的には人生の満足度を下げる!」って論文(1)が出まして、これがなかなか面白い。

 

 

これはケント大学の実験で、アルコールと幸福度の関係を調べたもの。いままでは酒といえば健康に関するリサーチがメインだったんで、かなり貴重なデータですね。

 

 



間違いなく酒は一時的には楽しいが

行われたリサーチは2つで、まずは1970年に生まれた29,145人を対象に、全員が30才・34才・42才になった時点で、そのときの飲酒頻度と人生の満足度をチェックしたらしい。

 

 

そのうえで、病気や収入といった変数を調整したところ、酒を飲む回数と人生の幸福度には基本的に関連性なし! どころか、酒で不幸になってしまう人が一定数いたそうな。

 

 

もうひとつの実験は、31,000名にiPhoneアプリ(mappiness)を使ってもらい、酒を飲んでる間の幸福レベルを記録してもらったらしい。データは2010〜2013年にかけて集められて、およそ200件の記録がたまったんだとか。すごい手間ですねぇ。

 

 

その結果は1番めの調査と同じで、「酒は一瞬だけ喜びを上げるけど、人生の幸福度は改善してくれない。またはちょっと下がるかも」というもの。酒を飲むとエンドルフィン(脳内麻薬の一種)が出て脳が気持よくなるんだけど、アルコールによる健康ダメージで人生の満足度が下がる可能性も高いんだ、と。

 

 

研究者いわく、

 

間違いなく酒は楽しい。一時的には確実に幸福感をもたらしてくれる。しかし、それ以上のものではない。驚くことではないが、長期的に酒を飲み過ぎれば人生の総合的な満足度は下がってしまう。

 

 とのこと。あくまで酒は刹那的な喜びだってことですな。

 

 

もちろん、これは価値観の問題なので「俺は一瞬の喜びに生きる!」って考え方もアリ。まあ最近では「適度な酒は体にいい」って説にも疑問符がついてますし、エンドルフィンはエクササイズやマッサージでも出ますんで、個人的にはそっちでいいかなーと思っとります(笑)

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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