「記憶力」はネガティブな感情に飲み込まれないためにも必須
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ワーキングメモリの性能がメンタルヘルスに大事?
「ネガティブな感情に立ち向かうには『記憶力』が大事!」って論文(1)が面白かったんでメモ。
これはノースフロリダ大学の実験で、16〜79才の男女2,000人を対象に「ワーキングメモリの性能がメンタルの悪化に関係があるか?」をチェックしたもの。ワーキングメモリは、一時的な記憶をキープしていく脳の機能で、たとえば暗算のときなんかに必要な能力であります。
昔から「ワーキングメモリが良い人ほど頭がいい!」ってデータはたくさんあるんですけど、実はメンタルの健康にも関係してるんじゃないか、と。
実験では、まずは全員に「自分の悲しみについ意識が向いてしまう?」みたいな質問をして、それぞれのペシミスティック度をチェック。と同時にワーキングメモリのテストも行って、その結果とくらべたんですね。
ワーキングメモリでネガティブな感情に勝つ!
それで何がわかったかというと、
- 悲観的な人ほど鬱病にかかる可能性が大きい:「何か悪いことが起きそうなときは、必ず実現する」とか「物事が上手くいくと思ったことがない」みたいな人は、そのうち85%が鬱病にかかったそうな。まぁ当然ですよね。
- 若者のほうが悲観的な思考は大きい:10代〜20代前半のころがもっとも人生に悲観的で、年をとるごとに楽観的になっていく。悲観的な思考の個人差は、およそ20%が年齢で説明がつく。このへんは「年を取れば取るほど人生は幸せになる」ってデータとも符号してますね。
- ワーキングメモリの性能が高い人は、悲観的な思考の影響を受けにくい:ワーキングメモリテストの成績が良かった人は、もし悲観的な思考を抱いたとしても、楽観のほうに意識を切り替えるのがとても上手い傾向があったそうな。
みたいな感じ。ワーキングメモリが強ければ、悲観的な考え方にカウンターをかますことができるわけですね。
ワーキングメモリが注意の焦点を変える
研究者いわく、
ワーキングメモリは、感情のコントロールに重要な役割を果たしている。これは多くのデータからも明らかなことだ。
鬱の症状というものは、一般的にネガティブな情報から目を背けられないせいで起きることが多い。ところが、ワーキングメモリの性能が良いと、ネガティブな感情を無視できるようになるのだ。
とのこと。ワーキングメモリが強力だと、楽観的な情報に注意を向きやすくなるみたいですね。うーん、納得。
となると、あとは「いかにワーキングメモリを鍛えるか?」って話になりますけど、この論文では具体的なテクニックへの言及はなし。近々、そのへんをまとめてみようかな…。