不安をコントロールしたけりゃ「暗算」だ!みたいな話
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ネガティブな感情のコントロールに暗算が効く?
「ネガティブな感情を超簡単なトレーニングでコントロールできるかも!」って論文(1)が、かなり使い勝手がよさそうでした。
これはデューク大学の実験で、186人の学生を対象にしたもの。まずは全員のメンタルヘルスのレベルをチェックしたうえで、みんなに頭の中で暗算してもらいつつ、脳の背外側前頭前野をfMRIでスキャンしたんですな。
脳内の感情のコントロールと計算の機能は同じ
背外側前頭前野ってのは、昔から「鬱とか不安に関係してるんじゃない?」と言われてきたエリア。たとえば過去の研究だと、認知行動療法のトレーニングをした人ほど、背外側前頭前野の働きがアップすることがわかってるんですよね。
いっぽうで、このエリアは、計算や思考なんかとも関連しているのが面白いポイント。感情の制御と計算は真逆の行為に思えますけど、実際にはどちらも「周囲の情報を更新して操作する」って点で、似たようなことをしてるんですな。
暗算トレーニングで脳が鍛えられる
つまり、デューク大学の研究者が何を考えたかというと、
- 暗算で脳を鍛えれば、ネガティブな感情にも強くなるんじゃないの?
ってことです。で、今回の実験でなにがわかったかというと、
- 暗算は確かに背外側前頭前野を活性化させる
- 暗算が上手い学生ほど鬱や不安の症状は少ない
みたいな感じ。もちろん、この結果だけで「暗算は感情コントロールに効く!」とは言えないものの、かなり希望を持たせる結果にはなっております。
頭の中で複雑な計算ができれば複雑な感情も処理できる
研究者いわく、
頭のなかで複雑な計算ができる能力は、複雑な感情を処理する能力とつながっている可能性が高い。
とのこと。もうちょいハッキリしたデータが欲しいとこではありますが、暗算の技術はトレーニングしといて損はなさげ。私は昔から暗算が苦手マンなので、この論文をモチベーションに少しがんばろうかと(笑)