成功する人はガマン強いが「正しいガマンの仕方」を知らないと失敗する
ガマン強い人ほど成功するのは確かですが…
「グリット」や「マシュマロ・テスト」 のおかげで、「忍耐力や自制心があるヤツがエラい!」って風潮が高まりつつある昨今でございます。
なんせ、いろんなデータで「目の前の欲望をガマンできる人ほど成功してる」って結果が出てるんで、自制心の大事さは疑いようがないところ。「ネットしたい」とか「お菓子食いたい」といった欲求をガマンできればゴールを達成しやすいって話で、当然といえば当然ですよね。
ただガマンすればいいってわけではない
ただ、ここで大事なのが「ただガマンすりゃいいって話じゃない」問題であります。たんに自分に忍耐を強いるだけじゃストレスがたまってくばかりなんで、「正しいガマンの方法」を押さえとかないと、せっかくのマシュマロ・テストの教訓が活かせない可能性が大。
ってことで、近ごろおもしろかったのがシカゴ大学の論文(1)であります。これは5つの実験を通して「良い習慣を作れる人の特徴」について調べた研究で、なにがわかったかと言いますと、
- たんに欲望に勝つのが上手い人は、実は長期的には習慣づくりに失敗しがち
- 本当にゴール達成がうまい人は、「別の目先の喜び」を生み出し続けている
みたいな感じ。目標の達成率が高い人たちは、たんにガマン強いわけではなく、実はちゃんと目先の喜びを感じながら前進してるんだ、と。
本当のガマン上手は目先の喜びを見つけるのが上手い
たとえば運動の習慣が長続きする人ってのは、「ランニングしたくない!」って気持ちをねじふせられる人ではなく、
- ランニングのパートナーを見つける
- 走ってる最中に好きなオーディオブックを聞く
- ポケモンGOと組み合わせる
みたいな感じで、「最終ゴールにつながる目先の喜びを見つけるのが上手い人」だって話です。このあたりは、「快楽」と「やりがい」のバランスを重視する行動科学にも近いところですね。
考えてみれば、マシュマロ・テストに成功した子供たちだって、決して忍耐力が高かったわけではなく、
- 歌をうたって気をそらす
- オリジナルゲームで遊ぶ
といった別の喜びを見つけるのが上手かったわけですからね。「意志力は戦略の問題である」っていう近年の問題意識ともつながる感じでしょうか。
まとめ
ってことで、正しくグリットを働かせたい人は、まずは「他に目先の喜びを得る方法は存在しないか?」と問いかけてみると吉。具体的な方法としては、
あたりが参考になるかもしれません。ちなみに、ここで紹介している本は1月に「マネジャーの最も大切な仕事」ってタイトルで邦訳が出てますんで、興味のある方はどーぞ。