「オリゴフルクトース強化イヌリン」で食欲が最適化されるかも!という事例
プレバイオティクスで食欲が激減?
こないだ「プレバイオティクスでメンタル強化?」みたいな話が出たばっかですけど、今度は「プレバイオティクスで肥満児の食欲が激減!」なんて実験(1)が出ておりました。
軽くおさらいすると、プレバイオティクスは「腸内細菌のエサ」になる食物繊維。当ブログでも何度も取り上げてまして、
といったあたりが「恐らく減量にもアレルギーにもいいっぽいなー」と考えております。
その名も、オリゴフルクトース強化イヌリン
で、今回の実験で使われたのは「オリゴフルクトース強化イヌリン」ってやつです。その名のとおり、フラクトオリゴ糖にイヌリンを混ぜて作った商品で、他の食物繊維より機能性が高いかも?とか言われてるんですな。
実際、2015年には「47人の健康な男女に飲んでもらったら脳の働きがあがった!」なんて報告(2)もあったりとか。まだ賛否はありながらも、ちょっとおもしろい商品かと思います。
でもって、新しい実験では肥満体の児童42人を対象にしてまして、年齢は7〜12才ぐらい。全員を2つのグループにわけて、
- 1日8gのオリゴフルクトース強化イヌリンを飲む
- 1日8gの糖質(マルトデキストリン)を飲む
って作業を16週間ほど続けてもらったんですな。
自然に摂取カロリーが113kcal減った
それでどんな違いが出たかと言いますと、
- 強化イヌリンを飲んだグループは…
- 1日の摂取カロリーが平均113kcal減った(糖質グループは逆に137kcal増)
- アディポネクチンが28%増加(老化スピードを遅らせる善玉ホルモン)
- 空腹時のグレリンが増加(食欲を増すホルモン)
- 主観的な空腹感がガッツリ減少
- 糖質グループにくらべてBMIが3%減少
って感じ。自然と食欲が減ったうえに、アンチエイジングに欠かせない善玉ホルモンも激増したわけっすね。これは素晴らしい。
食欲アップのホルモンが増えたにも関わらず空腹感が減ってるのもおもしろいとこですが、これは逆に「食欲のコントロールシステムが正常化したおかげでは?」と研究者は推測しておられます。
オリゴフルクトース強化イヌリンは、肥満児を持つ両親が子供の体重管理と健康な体型の維持のため使えるだろう。ついでに、子供たちの腸内フローラをと消化器の健康もサポートしてくれる。
とのこと。結構ハッキリとオススメしてますね。
研究で使われた商品はなに?
ちなみに、この研究で使われたのは「Orafti Synergy1」っていう有名な食物繊維で、わりと研究例が多い商品のひとつであります。97人の子供を対象にした2007年の実験(3)でも「Orafti Synergy1で骨密度が上がった!」って結果が出てまして(カルシウムの吸収率が良くなったらしい)、なかなか使えそうな雰囲気ではないかと。
簡単に手に入る商品としては、ジャロウフォーミュラ社の「イヌリン FOS」ってのが、「Orafti Synergy1」を採用しております。実は私も以前に試したことがあったんですが、どうも体に合わなかったらしく、大量のガスが発生して困りました。やっぱプレバイオティクスは個人差が大きいですなぁ。
「イヌリン FOS」はサラサラのパウダー状になっとります。薄い綿菓子みたいな味わいで、悪くなかったんですけどねぇ。