チューブトレーニングはどこまでジムの代わりに使えるのか?問題
定番の筋トレアイテムに「トレーニングチューブ 」ってのがあります。ゴムの反発を使ったトレーニング器具でして、コンパクトに畳めるので個人的には旅行なんかに使ったりとか。セラバンドなんかが代表的な例ですね。
トレーニングチューブ VS. バーベル&マシン
ただ、ここでたまに聞かれるのが「トレーニングチューブってジムの代わりに使えます?」みたいな問題であります。果たして、チューブトレーニングは、ダンベルやマシンと同じぐらいの効果が得られるのか、と。
この問題は長らくの謎だったんですが、近ごろ良い論文(1)が出ましたんでご紹介しときます。
これはノルウェー科学技術大学の研究で、29人の男女を対象にしたもの。実験はクロスオーバーで、それぞれ以下の器具で筋トレをしてもらったんですね。
- セラバンド
- バーベル
- ケーブルマシン
また、筋トレの種目は次のような感じ。
- スクワット
- スティフデッドリフト
- ダンベルロウ
- ラットプルダウン
ってことで、多関節エクササイズ(一度の動作でいろんな関節を曲げる筋トレ)だけが選ばれております。
単関節エクササイズならチューブも十分に使える
というのも、 2016年にチューブトレーニングの効果を調べた別もメタ分析(2)が出ていて、「単関節エクササイズの場合はゴムを使っても効果は同じ」って結論が出てるんですよ。
単関節エクササイズってのは、ひとつの関節だけを使う筋トレのことで、ヒジしか動かさないバーベルカールなんかが代表例。いっぽうでスクワットなどは、ヒザと股関節を同時に使うので多関節であります。
チューブトレーニングの弱点はスクワット
で、今回の実験では、多関節エクササイズだけで全員の筋肉がどう反応したかをチェックしたわけですね(筋電図を使用)。その結果がどうだったかと言いますと、
- なんだかんだで、多関節エクササイズについては、すべてチューブトレーニングよりもジムのほうが優れている。
- ただし、ラットプルダウン、ダンベルロウ、スティフデッドリフトについては、その差はほんのささいなレベルにすぎない
- スクワットだけは、チューブトレーニングよりもバーベルのほうがかなり優秀
といった感じ。この結果をどう見るかは各自の環境によるものの、個人的には「ジムに行けないときの代役としては十分にアリなのでは?」と思いました。
まとめ
まぁスクワットの代わりにはならないのが残念ですが、単関節エクササイズならジムにも負けないし、ほかの多関節なら負けず劣らずの効果が出るわけですからねぇ。特にチューブトレーニングはケガが少ないって利点もあるんで、筋トレビギナーにはアリかな、と。