物を買うなら時間を買うほうが幸せになれるぞ!というハーバード研究
物より時間を買え!
「物を買っても幸せにはならない!」ってデータが山ほどある昨今。いくら物を買ったとこで幸福度は上がらないので、他人のために金を使うか、経験のために金を使うかのどちらかに絞ったほうがいいですよー、ってのが今の心理学ではコンセンサスになっております。
そこで新たに出た研究(1)では、「金で幸せになりたきゃ時間を買え!」って結論になっててナイスでした。
安い物件より職場に近い物件
これはハーバード大の論文で、アメリカ、カナダ、オランダ、デンマークの4カ国から6,271人にアンケート調査を行った横断研究。全員に対して「やりたくない作業を他人にやってもらうためにどれだけお金を使ってますか?」って質問をしまくったんですな。
そのうえで、年収や年齢といった要素を調整したところ、
- 時間のために金を使ってる人は全体の28.2%(平均で月に1万6千円ぐらい)
- 時間のために金を使う人ほど、人生の満足度がやや高い傾向があった
- この傾向は、裕福さや収入に左右されない
って結果だったんですな。要するに、「家賃が安い物件があるが通勤時間は長くなる」ってチョイスがあったときは、通勤時間のメリットを選んだほうがいいってことですね。
現代では時間のストレスがもっともデカい
さらに、この研究では別の実験もやってまして、
- 60人の男女に80ドルをわたす
- 1週目は40ドルで好きなものを買ってもらう
- 2週目は40ドルで家事代行サービスなどに金を使ってもらう
の2パターンで暮らしてもらったところ、やはり結果は予想どおり。大半の参加者は、物を買った週よりも時間を買った週のほうが、満足度が高いと答えたんだそうな。
その理由はシンプルで、時間のプレッシャーが減るからです。現代社会では、モノを手にした喜びと時間のストレスをくらべた場合、差し引きでデメリットのほうが大きいわけですねぇ。わかりますなぁ。
まとめ
ちなみに、時間のメリットが大きい理由については別の経路もありまして、エリザベス・ダン博士の2016年論文によれば、「金より時間に価値を置く人は『人生の短さ』について無意識に考える」ため、ポジティブな気分になりやすいんだそうな。
そんなわけで、「少しの金より数時間の自由!」が心理学の結論って話でした。つい忘れがちなんですけどね…。