ウーロン茶はどこまで痩せる?健康にいい?問題
ウーロン茶に関するご質問をいただきました。
鈴木さんはよく緑茶の良さを書いてますよね。そこで思ったのですがウーロン茶はどうなのでしょうか?体に良さそうなイメージは強いですが、どれぐらいなのかが気になります。
とのこと。確かに、当ブログでは定期的に緑茶をオススメしてまして、特にカテキンの素晴らしさをよく書いてたりします。
ってことでウーロン茶の話ですけど、いまのとこ緑茶や紅茶ほどデータがないので、そこまでハッキリ言うのは難しいところです。しかし、とりあえずカテキン(EGCG)が豊富なのは間違いないですし、テアフラビンのように緑茶には入ってないポリフェノールもふくまれてまして(1)、期待はできるのではないかと。
なので、いま言えることをまとめときます。
1.とりあえず糖尿病の予防にはなりそう
緑茶や紅茶が糖の代謝に効くのは昔から有名な話(2)。 しかし、近年ではウーロン茶を扱ったメタ分析も出まして(3)、なかなかの成績を出しております。
具体的には、「1日720mlのウーロン茶を飲み続けると糖尿病のリスクが16%減る!」って感じ。また、2003年にサントリーが行った実験(4)だと、1日1.5リットルのウーロン茶を飲み続けた参加者は、空腹時の血糖値が30%下がったなんてデータもあったりします。いいですねー。
ただし、いっぽうで2011年にはウーロン茶に否定的なデータも出てるので、ちょっと気をつけたいところ。4975人の日本人を数年にわたって追いかけたところ、1日に480ml以上のウーロン茶を飲んだ人は、逆に糖尿病のリスクが上がったというんですな(5)。
この問題について、2011年論文では「農薬の汚染がよくないのかも」って仮説を提唱しております。これが正しいかはよくわからんのですが、とりあえず品質が良いウーロン茶を選ぶのが大事っぽいですな。
2.ダイエットに効く可能性も高い
ウーロン茶といえばダイエット効果がよく言われますが、いろいろ見てますと「まぁまぁかなー」ぐらいの印象だったりします。
たとえば2001年の実験(6)では、1日に300mlのウーロン茶で2.9〜3.4%ほど代謝がアップしたとか。その理由としてはカフェインとポリフェノールの相乗効果がありまして、2011年のメタ分析などを見ると(7)、だいたい4〜5%ぐらいはカロリーの消費量があがるみたい。
ただし、ウーロン茶のダイエット効果を確かめたRCTがないので、基礎代謝の向上が実際に減量に結びつくかは不明。とりあえず5%の代謝アップはおいしいので、ダイエットの補助として使うのは十分にアリかも。
3.心疾患の予防にもなりそうな気がする
ここ数年は、ウーロン茶で心臓や血管が健康になるんじゃない?って研究も増えてまいりました。たとえば、
- 76,979 人の日本人をを対象にした調査では、1日に240 ml以上のウーロン茶を飲む人は心疾患のリスクが61%も下がった(2011年,8)
- 374 人の中国人をを対象にした調査では、1日に480 ml以上のウーロン茶を飲むことで脳卒中のリスクが39%下がった(2009年,9)
みたいな感じ。いずれも観察研究なんで断言しづらいものの、心疾患の予防になる可能性は高いのかなーと思われます。
4.頭が良くなる!といいなぁ…
緑茶で脳機能が上がる!みたいな話は昔からチラホラあったんですが、最近はウーロン茶でも似たようなデータが増えております。具体的には、
- 2501人の中国人をを対象にした調査では、1日1リットル以上のウーロン茶を飲む人は脳機能の低下リスクが64%も下がった(2008年,10)
- 716人の中国人をを対象にした調査では、ウーロン茶の消費量が多い人は認知機能、記憶、実行機能、情報処理スピードなどが高い傾向があった(2010年,11)
といったところ。いずれも観察研究なので精度は低いんですが、ウーロン茶は抗酸化物質やテアニンの量が多いので、このあたりが脳に効く可能性もあるかなーと思う次第です。まぁこのへんは話半分で記憶にとどめていただければ。
まとめ
というわけで、まだ緑茶より研究が進んでいないものの、ウーロン茶もなかなかの健康飲料っぽい。個人的にはデータが豊富な緑茶をオススメしますが、味が好きならウーロン茶を選ぶのも十分にアリ。特に糖代謝の改善についてはかなり良い成績が出てるんで、そのへんが心配な方はご活用ください。