全米ベストセラー「先延ばしを撃退する最強の5秒ルール」を1400文字で説明するエントリ
仕事の関係で「5秒ルール(The 5 Second Rule)」って本を読みました。著者のメル・ロビンスさんはCNNのレポーターで、かなーり売れてる一冊らしい。
これがどんな本かと言うと、その名の通り「なんでも5秒以内にやれ!」というもの。何かやろうと思ったら、その瞬間に「5、4、3、2、1」と心の中でカウントダウンしていって、その間に必ず手をつければたいていのことはうまくいくよー、みたいな内容です。たとえば、
- アラームが鳴った! → カウントダウンして起きる!
- 原稿を書かなければ! → カウントダウンしてとりあえずキーボードを叩く!
- 運動しなければ! → カウントダウンしてジムに向かい出す!
みたいな感じ。これ以上ないぐらいシンプルな内容でして、よく1つのテクニックだけで一冊も書いたなー、という(皮肉じゃなくて)。
当然、このルールの解説だけだと1章分にしかならないので、後は人間の脳の仕組みやら習慣作りのデータをもとに、いかに「5秒ルール」が使えるのかを説明していく内容になっております。具体的な引用データは本書をご参考いただければと思いますが、カールトン大学のピチル博士による先延ばし研究とか、過去に出たメタ認知系のデータをベースに論証していて、わりと説得力はあったりします。
で、なんで「5秒ルール」が効くのかといえば、カウントダウンによって脳が目の前の重要なことにフォーカスするからです。
そもそも、多くの人がついつい大事な作業をダラダラ先延ばしするかといえば、おもに私たちが脳の「理性的なエリア」を使ってるからであります。いわゆるクールシステムですな。
このシステムは、危険を避けるために原始時代に発達したもので、ものごとをじっくり考えたり、必要な情報を集めるのが大の得意。ただし、その一方で、クールシステムは「まだ隠れた危険があるのでは?」や「もっといいアプローチはないか?」などと常に分析し続ける傾向も持っていて、気を抜くと「最高の解決策」を求めて延々と行動に移せないことになりがちなんですな。これが、先延ばしが起きる大きな原因のひとつになっております。
そこで、5秒のカウントダウンによって一時的に脳の「反射的なエリア」を起動。目の前でコケた人がいたら思わず手を差し出してしまうように、目の前の作業に反射的に取り組めるような状態に持っていくわけですな。
もちろん、あまりにタスクの規模が大きい場合は「5秒ルール」でも対処が難しいかもですが、少なくとも「ちょっと試してみるか!」ぐらいの気にはなりそう。いったん取り掛かりさえすれば、後は意外とスムーズに進んだりしますからねぇ。
ってことで、「5秒ルール」の簡単な解説でした。本書にはくわしい応用編も出てますが、本当に基本はこれだけであります。手軽な「先延ばし対策」のひとつとして、手持ちのツールに加えておくといいかもですねー。