人気サプリ「アセチルLカルニチン」がメンタルに効きまくるぞ!という素敵なメタ分析
アセチルLカルニチンが鬱に効く?
「アセチルLカルニチン」ってサプリがあるんですよ。当ブログでは「筋トレサプリ」として何度か取り上げたL-カルニチンの代謝物で、お肉などによく入ってたりします。
一般的には、筋肉を増やしたい人や脂肪を燃やしたい人が使うものなんですが、実は昔から「メンタルの改善にいいんじゃない?」って説があるんですね。
というのも、「アセチルLカルニチン」ってのは、脂肪をミトコンドリアに移動して、エネルギーとして活用させるのに一役買ってるんですな。ご存じのとおり、ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場でして、こいつの機能が低下するとエライことになっちゃう。事実、ここ数年のデータでは、ミトコンドリアの機能低下で鬱が起きる!なんて説も有力視されてるんですな。
そんなわけで、ミトコンドリアの機能に関わるアセチルLカルニチンも、メンタルに効く可能性は大。わりと期待度の大きい栄養素のひとつだったりします。
アセチルLカルニチンのメタ分析が出たぞ!
といったところで、近ごろ「アセチルLカルニチンでメンタルが改善するか徹底的に調べたぞ!」ってメタ分析(1)が出まして、これがなかなかいい感じでした。
これは過去に出たアセチルLカルニチンの論文509件から、わりと質が高い12件を厳選。メンタルとの関係を調べたメタ分析になっております。つまり科学的な信頼性はかなり高め。
実験に使われたアセチルLカルニチンの量は1〜4gの範囲で平均は3g。具体的にどんな症状の被験者で試したかというと、
- 鬱病
- 気分変調症
- 線維筋痛症
- 頭痛
- ミニマル肝性脳症
の5つ。その上で、だいたい8週間の経過をみているケースが多い感じっすね。
アセチルLカルニチンの効果は抗鬱剤と同じレベル
では、その結果がどうだったのかを見ていきましょうー。
- アセチルLカルニチンには、明らかに鬱の症状をやわらげる効果があった(効果量0.80)
- アセチルLカルニチンの効果は、抗鬱剤とほぼ変わらなかった(SMD = 0.06)
- しかも、抗鬱剤にくらべてほぼ副作用がなかった
- ただし、アセチルLカルニチンの効果には結構な個人差がある (I2=86%)
ってところです。正直、思ってたよりかなり良い成績だったんでビビりました。ちょっと個人差が大きいのがアレですが、この手の栄養療法にはありがちですからねぇ(元々の栄養状態で効果の出方が変わるのは仕方ない)。
さらにアセチルLカルニチンのポイントとしては、
- 高齢者ほど効果を得られやすい
- 痛みが原因で起きる鬱症状に効きやすい(頭痛とか線維筋痛症とか)
といった特徴もある模様。実はアセチルLカルニチンが痛みを減らすって報告は以前にもいくつかありまして(2)、改めて「おもしろい成分だなー」とか思ったりしました。しつこい頭痛にお悩みの方などにはいいのでは。
アセチルLカルニチンを取るにはサプリしかない
では、具体的にアセチルLカルニチンをどう取るかって話ですが、実験に使われた分量を食事から摂取するのはかなり難しかったりします。なにせお肉に入ってるカルニチンの量ってのはとても少なくて、
- 鶏肉 100gあたり0.05g
- 豚肉 100gあたり0.08g
- 牛肉 100gあたり0.2g
ぐらいなんですよ。実験の平均は1日3gなんで、なかなか辛いものがあるわけです。
なので、マジメに試そうと思ったら、やっぱりサプリを使うしかない感じ。アセチルLカルニチンってそこそこ高価なんで、なかなか手が出しにくいんですけどね……。