「仕事がつまらない……」を楽しくするには結局なにが大事なのか?みたいな研究
かなり前に「ジョブ・クラフティング」って考え方を紹介したことがありました。これは、好きになれない仕事を好きになるためのテクニックで、「作業の取り組み方を変えてモチベーションをあげよう!」みたいな考え方がメイン。ここ数年、心理学の世界でよく聞くテーマのひとつですね。
といったところで、新しく出た論文(1)では「ジョブクラフティングの何がそこまで効くのか?」って問題を調べてておもしろかったです。と言いますのも、以前にも書いたとおり、ジョブクラフティングってのはいくつかの技術を総合したものなんで、どの要素が効果的なのかってのはイマイチわかりづらいんですよ。」
そこで、この実験では119人の医者や看護師を集めて、まずはジョブクラフティングのトレーニングセミナーを3時間ほど指示。セミナーで得た情報をもとに「仕事が楽しくなるように心がけてみてください」と持ちかけ、3か月後の変化をチェックしたんですね。
で、参加者がセミナーで教わったテクニックは、大きく分けて3つです。
- チャレンジ・シーキング:仕事に結びつくボランティアに参加したり、あえて病院の委員会に参加してみたりとか。とにかく、いままでやったことがない作業に挑んでみるパターン。
- リソース・シーキング:同僚にフィードバックをお願いしたりとか、仲間に助けを求めてみたりとか。他人に何らかの協力を頼んで、仲間との親密さを深めていくパターン。
- デマンド・レデューシング:もっと効率のいい働き方を考えたり、思い切って仕事を委任してみたりとか。自分が抱えている負担の量を減らしていくパターン。
これらの考え方を実践したうえで、みんなには「ジョブクラフティングの達成度」をテスト。「仕事にのめり込んだ」や「仕事の後に疲れ切った」などの質問に答えてもらって効果を測定したらしい。
さて、その結果がどうだったかと言うと、
- チャレンジ・シーキングが、もっとも労働者のモチベーションを高めた!
だったそうな。もちろんリソース・シーキングにも効果はあったものの、なんだかんだで新しいことにチャレンジするのが一番いいみたいっすね。
一方で「デマンド・レデューシング」については、効果がないどころか、毎日の疲労感の増加と相関してたというからおもしろいもんです。その理由はよくわからんですが、たんに「仕事量を減らせば幸せに!」とか「効率化すればOK!」みたいに単純な話でもなさそうな感じですかね。
研究チームいわく、
変化を続ける現代の組織と個人がウィンウィンの関係を結ぶためにも、仕事のリデザインを採用したほうがいい。組織は従業員に仕事を自らクラフトするように働きかけるべきだし、彼らが持つ強みや技術、仕事の好みにフィットするような働き方を得る機会を与えるべきだ。
ってことで、「どうも仕事がつまらなくて…」という方は、ジョブクラフティングの方法論を取り入れてみちゃどうかと思う次第。その辺については、あとでもうちょい詳しく書くかも。