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いくら運動しても体が成長しない「ノンレスポンダー」はどうすれば突破できるのか?問題

Climb1

 

筋トレなどを続けてると、そのうち必ず聞くことになるのが「ノンレスポンダー」の問題であります。どういう意味かと言いますと、

 

  • ちゃんとトレーニングしてるのに、なぜか思ったように結果が出ない!

 

ってタイプの人を意味しております。他の人と同じように筋トレやHIITをしてるのに、なぜか成長しないタイプが一定数いるみたいなんですよ。

 

 

その原因としてはやっぱ「遺伝が大きいんだろうなぁ……」って感じがするわけですが、まだまだくわしいことは不明。とにかく、運動しても成果が出なかったら、絶望的な気分になっちゃいますわな。

 

 

が、新しいデータ(1)では、「ノンレスポンダーにも道はある!」という希望に満ちた結論になっておりました。論文のタイトルは「ノンレスポンダー神話を論破する!」というもので、いい感じですねー。

 

 

これはチューリッヒ大学の実験で、78人の健康な男女を対象にしたもの。全員に6週間の持久トレーニングを指示したんですが、その際に参加者を5パターンに分けたんですね。

 

  1. 週1回の運動をする
  2. 週2回の運動をする
  3. 週3回の運動をする
  4. 週4回の運動をする
  5. 週5回の運動をする

 

って感じで、要は「運動のボリュームによってノンレスポンダーの反応にはどんな差が出るの?」ってとこを調べてくれたわけですね。

 

 

で、この実験では、「6週間後にも有酸素パワーが増えなかった人」をノンレスポンダーと判断しております。具体的にどんな結果だったかと言いますと、

 

    • 週1の運動しかしない場合、69%がノンレスポンダーだった
    • 週2の運動をした場合、40がノンレスポンダーだった
    • 週3の運動をした場合、29がノンレスポンダーだった
    • 週4以上の運動をした場合、ノンレスポンダーの数はゼロだった

 

ってことで、シンプルに運動の回数を増やすほどノンレスポンダーが減ってますねー。

 

 

でもって、おもしろいことにこの実験では、さらに追加で6週間の実験を行ったんですな。どういうデザインかというと、

 

  1. 最初の6週間でノンレスポンダーだった人だけを集める
  2. それぞれの運動ボリュームを週2回ずつ増やす

 

って感じです。最初の調査で週1の運動をした人は2回目から週3に増量し、最初の調査で週3の運動をした人は2回目から週5までトレーニングの回数を増やしたわけですね。

 

 

その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • ノンレスポンダーはゼロ!

 

って結果だったんだそうな。もちろん、参加者によって心肺機能の上がりかたは違ったものの、いずれにせよ最終的には全員の体力が向上したんだそうな。

 

 

つまり、ノンレスポンダーの壁を打ち破るのは簡単で、

 

  • トレーニングのボリュームを増やそう!

 

ってことになりましょう。うーん、超シンプルな結論。

 

 

というと「筋肉の発達にも同じことが言えるの?」ってとこが気になる方もおりましょうが、110人を対象にした2015年の実験(2)では、筋トレでも似たような結論が出てたりします。とにかく、成長が止まったような気がしたら回数を増やしてみたら?ってことですね。

 

 

ちなみに、ノンレスポンダーを打ち破る方法としてはもうひとつ「運動の種類を変えてみる」ってアイデアも提案されてますんで、こちらも合わせてご参照ください。とにかく、成長の壁を打ち破るには、

 

  • 量を増やす
  • いろいろやってみる

 

のどちらかしかないのかもですな。かくいう私も、近ごろ筋トレのボリュームを増やしたら(セット数を3から5にした)、一気に筋肉の成長スピードが上がりましたんで、この結果には納得ですね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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