シワとシミに効果抜群と噂の「トレチノイン」はどこまで効くの?
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トレチノインについてのご質問をいただきました。
いつも楽しく読んでいます。目のまわりのシワに「トレチノイン」がいいと聞いたのですが、これは効くと思われますか?日本では病院でしか手に入らないようなのですが、気になります!
とのこと。トレチノインってのは当ブログで過去に紹介したレチノールクリームの仲間で、ビタミンA誘導体の一種であります。
つまり、肌のターンオーバーを増やす作用については一定の評価がありまして、審査がうるさいアメリカ食品医薬品局も認可してるぐらい。なので、当然ながらちゃんとデータもあったりするわけです。
トレチノイン研究の歴史はかなり古くて、そもそもは1989年ぐらいからスタートしております。サクッとご紹介しますと、
- 紫外線で肌が劣化した肌に0.05%のトレチノインを6か月ほど使い続けたら、なにもしなかったグループにくらべてシワが減り、顔がなめらかになった。(1989年,1)
- 251人の女性に対して、0.05%か0.01%のトレチノインを24週間ほど試してもらったところ、0.05%を使ったグループの79%に肌質の改善が見られた。0.01%の場合は48%だった。(1991年,2)
- 533人の男女を対象にした実験では、.05%、.01% 、.001%といった3種類のトレチノインを使用。24週間にわたって使い続けてもらったところ、.05%と.01%を使ったグループは皮膚の厚みが増し、上皮が丈夫になり、メラニンも減った。.001%には何の変化もなかった。(1991年,3)
- 皮膚が紫外線ダメージを受けた296人の男女に対して、.05%、.01% 、.001%という3種類のトレチノインを使用。24週間にわたって使い続けてもらったところ、.05%のクリームには、シワと色素沈着の減少が確認された。.01% と.001%のクリームには何の変化もなかった。(1992年,4)
って感じ。濃度によって効果の差はあるものの、ほぼ一貫して良い成績が出てまして、「これならFDAも認可するよなー」ぐらいの勢い。
とくに0.05%のトレチノインは「ほぼ確」で良い結果が出てますんで、買うならこれでしょうね。
……なんだけど、まぁ個人的にはトレチノインの個人輸入はあんまオススメしないです。
というのも、日本で一般に認可されてないのにはそれなりの理由があって、なんせ威力が強烈すぎるんですよ。使い方を間違えて塗りすぎたりすると、ターンオーバーが進みすぎて肌が逆にザラザラになるケースもよくあるんですな。
かくいう私も、過去にレチノール(トレチノインよりも作用が少ない成分)で肌が赤むけたことがありまして、ヘタに使っちゃいかんなーとか思った次第です。試してみたい方は、ぜひ専門の医師にご相談いただければと。