「一人の異性とじっくり付き合う」vs「多数の異性とガンガン付き合う」はどっちが幸せか?問題
ご存じのとおり、現代ではほとんどの社会が「一夫一婦制」なわけです。賛成も反対もありましょうが、同時に1人のパートナーだけと付き合うのが、社会のスタンダードなわけですな。
とはいえ、たとえば狩猟採集社会なんかでは多夫多婦制を採用してるとこもあったりして、果たして「一夫一婦制がどこまでヒトを幸せにしてくれてるの?」ってとこは未知数なんですな。
が、近ごろ「一夫一婦制は本当に幸せなの?」って問題を調べた研究(1)が出てて、これがなかなかおもしろいんですよ。
これはゲルフ大学の調査で、研究チームはこう言っております。
現代人は、過去にないレベルで、新たなパートナーと出会いやすい時代を生きている。そこには、性的な満足を満たしたい欲望はもちろん、感情的または経済的なサポートを得たいという欲望もある。(中略)
当然ながら、世界でもっとも普遍的なのは一夫一婦制だが、実際は「オープンリレーションシップ」(複数のパートナーですな)の数も意外なほど多い。
とのこと。実は世界的に見ると、思ったよりも多夫多婦制を採用してるところは多いんだ、と。
どんな研究をしたかと言いますと、
- 一夫一婦制の人たち200人のライフスタイルを調べる
- オープンリレーションシップな人たち140人のライフスタイルを調べる
- 両グループの幸福度をくらべる
みたいな感じ。ここでいう「オープンリレーションシップ」ってのがどういうものかというと、
- お互いの許可を得たうえで、複数のパートナーと付き合ってる人たち
のことです。そりゃあ相手の許可を得てないとヤバいですもんね(笑)
それで、どのような結果が出たかと言いますと、
- たいていの人は、オープンリレーションシップは不幸への道だ!不道徳だ!浮気だ!人生の満足度も下がる!と思っていた
- しかし、実際の幸福度でくらべると、一夫一婦制もオープンリレーションシップも特に違いはなかった
だったそうな。一般的なイメージよりもオープンリレーションシップには問題がない、というか特に幸福度では一夫一婦制と変わらなかったみたい。
研究者いわく、
オープンリレーションシップの人たちは、不道徳的な関係にいそしむ悪い人間だと考えられがちだ。しかし、実際はそうでもない。
今回の調査でわかるのは、パートナーシップの構造は、人生の幸福や満足度の指標にはならないということだ。
とのこと。つまり、別にどっちの付き合い方でも、ヒトの幸福は左右されないわけですな。
一夫一婦制だろうが多夫多婦制だろうが、どちらも人間は異性との関係性を満足させることができる。
ってことで、互いの許可がある限り、ここらへんはもはや好みの問題ってことになるんですかねぇ。