このブログを検索




脳の機能をガッツリ高めるかもしれないナイス物質、その名は「ルテリオン」

 

今回はルテオリンっていう成分の話です。これは植物にふくまれるファイトケミカルの一種で、近ごろは「かなりの抗炎症作用があるんじゃないの?」と言われてきたんですよ。

 

 

が、なんせまだ未知数なところが多い成分なんで、現時点では個人的ににサプリなどはおすすめしておりません。もうちょい研究が進めば抗炎症に効く成分として推奨するかもですけど。

 

 

といったところで、まだマウス実験の段階ではありますが、「ルテリオンが脳に効くのでは?」って話(R)が出てたのでメモしときます。

 

 

これはイリノイ大学などの実験で、主筆の先生はこうおっしゃっておられます。

 

先行研究によると、年を取った脳はミクログリア細胞が機能不全を起こし、炎症性のサイトカインを分泌し始める。

 

おそらく、このメカニズムが認知機能の低下をもたらし、神経性疾患のリスク要因になっているのだろう。

 

ミクログリア細胞ってのは脳の中で免疫システムをつかさどるパーツで、ここがダメージを受けるとサイトカインって呼ばれる物質を分泌。脳に変化を起こしまして、

 

  • 激しい眠気
  • 食欲の減退
  • 記憶力の低下
  • 鬱症状

 

みたいな現象が起きちゃうんですよ。鬱って炎症が原因なんじゃない?とはよく言われることでして、ここでも脳の機能低下を引き起こす原因としてあつかわれてるわけですね。

 

 

で、実験では若いマウスとお年寄りマウスの2種類を用意して、

 

  1. いつもどおりの食事をあたえる
  2. ルテリオンが豊富な食事をあたえる

 

って2つのグループにわけて4週間の経過を見たんですよ。そのうえで、マウスたちの空間記憶と脳の炎症レベルをチェックしたところ、

 

  • ルテリオンを摂取したマウスは、いつもどおりの食事をしたマウスより学習能力が高くなり、記憶力も改善していた!(もちろん脳のサイトカインも少なかった)

 

ってことで、要はルテリオンでワーキングメモリが改善したことにりますな。

 

 

研究チームいわく、

 

食事からとったルテリオンは、脳に達してミクログリア細胞の活性レベルを減らす。その結果として炎症性のサイトカインは減り、ワーキングメモリの向上につながる。

 

このデータからわかるのは、健康的な食事が加齢にともなう脳の炎症をやわらげ、脳機能を良い状態に保つ働きがあるということだ。

 

とのことで、ルテリオンはミクログリア細胞へ直にアクセスするんだ、と。あくまでまだマウス実験のレベルながら、こりゃおもしろい話ですねー。

 

 

そんなわけで、まだサプリを推奨するような段階ではないものの、積極的にルテリオンの摂取を心がけておくのが吉。具体的な食材としましては、

 

  • ニンジン
  • オリーブオイル
  • ピーマン
  • セロリ
  • タイム
  • ペパーミント
  • ローズマリー
  • カモミール

 

などを食べておくと、効率よくルテリオンがとれるかと思われます。どうぞよしなに。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM