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心から満足できる「仕事」に共通するたったひとつだけの要素とは?

 
もっとも満足度が高い職業はこれだ!」みたいなデータ(R)がおもしろかったんでメモ。


これはシカゴ大学による調査で、アメリカの労働者約27,000人を対象にした調査で、みんなに「いまの仕事にどれぐらい満足してます?」と尋ねまくったんだそうな。かなり規模が大きいデータになってまして、非常にいい感じですね。


では手始めに、多くの人が「満足してる!」と答えた職業を上から列挙していきます。


満足度の高い職業12選

  1. 聖職者
  2. 理学療法士
  3. 消防士
  4. 教育関係者
  5. 画家や彫刻家、またはアート関係
  6. 教師
  7. 著述家
  8. 心理学者
  9. 特殊教育の教師
  10. オペレーティング技術者(重機オペレーターとか)
  11. オフィス管理者
  12. 保安または金融サービスの販売員


続いて、多くの人が「いやー、いまの仕事は辛いです……」と答えた職業を上から列挙していきます。

満足度の低い職業12選

  1. 屋根職人
  2. ウェイター
  3. 肉体労働者(建築を除く)
  4. バーテンダー
  5. 倉庫ピッキング
  6. 重機作業員
  7. 服飾販売員
  8. キャッシャー
  9. ファストフード調理人
  10. 貨物運送
  11. 食肉業者
  12. 家具屋


さて、以上のランキングを見て「いや、アメリカのランキング見ても意味ないし!」と思った方は多いでしょう。「聖職者は満足度が高い!」とか言われても、キリスト教圏じゃない日本人には参考にならないですからねぇ。


が、ここで大事なのは「満足度の高い職業にはどんな共通点があるの?」ってポイントです。もちろん日本とアメリカじゃ労働環境はまったく違うものの、満足度の感覚を引き起こすポイントはヒューマンユニバーサルな可能性が高いですからね。


ってことで、調査に当たったトム・スミス先生は、この結果を以下のように総括しておられます。

満足度が高い職業のほとんどは、他人をケアするものか、知識を授けるものか、他人を守るもの、人に新たな視点を見出させるものだ。

要するに、ひとことでまとめちゃえば「他人のためになる職業は満足度が高い!」ってことですな。「最高の体調」でも「他人のために役立つ行為はメンタルにいいよー」ってポイントを強調しましたけど、やはりここでも他者貢献の視点が出てきましたねー。

さらに研究チームいわく、

たとえば聖職についている人は、信者の心からの告白に対処する機会が多く、彼らの悩みに正義や共感、意味を付加するチャンスも少なくない。このように、自分の信念や価値観と行動が日々の暮らしで一致している状態は、人間に深い満足をもたらす要素だ。

とのこと。まぁ一方で聖職者は「サイコパスが多い職業」のトップ8にランクインしてるのがおもしろいところですが、確かに他人の深い悩みを日常的に解決してれば満足度は高くなりそうっすね。実際、今回の調査でも全体の87%が「聖職者の仕事には満足だ」と回答したそうな。


つまり、「結局は他者に役立ってればOK」って話なんで、「満足度の低い職業12選」に入ったような仕事でも、貢献の要素さえ組み込めば満足度の高い仕事に変わる可能性は十分にあるわけですな。そういえば、「GIVE & TAKE」で有名なアダム・グラントさんも、「エンドユーザーに会えばどんな仕事も楽しくなる!」と言ってまして、あらためて大事なポイントだなぁとか思った次第です。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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