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14時から45分の昼寝で脳と体のパフォーマンスが上がるぞ!というクロスオーバー試験のお話



昼寝っていいんじゃない?」ってのは近ごろよく聞くようになった話でして、だいぶ前にも


なんて話を取り上げたことがありました。まだまだデータが必要な分野ではありますが、とにかく昼寝によって頭脳と体が復旧してくれる可能性は大であります。


ってとこで、今度は新たに「どれぐらい昼寝すれば脳と体は回復するの?」ってとこを調べてくれたデータ(R)が出ておりました。夜中にぐっすり眠れれば体は回復するだろうけど、それなら昼寝はどうなの?って問題っすね。


具体的には、普段からよく運動をしている20人の男性(21.1 ± 3.6歳)を対象にしたクロスオーバー試験でして、全員に以下の4パターンの昼寝をすべて試してもらっております。

  1. 25分の昼寝
  2. 35分の昼寝
  3. 45分の昼寝
  4. 昼寝をせずにテレビを見る

昼寝のスタート時間はいずれも14時からで、参加者をラボに呼んで専用の暗い部屋でちょっとだけ寝てもらったとのこと。ただし、ここでは睡眠の質は計測してないので、みんながどれぐらいグッスリ寝たかはわからないままであります。


で、さらにそれぞれ昼寝をした後で、以下のポイントを調べたそうな。

  • ジャンプテスト(身体パフォーマンスの計測用)
  • 数字キャンセルタスク(ランダムな数列が書かれた紙をわたされて、そこから指示された数字だけを消す)
  • 気分スケール(いまの気分を-5〜5点の範囲で計測する)
  • ストレスレベル
  • 全体的な疲労感

でもって、どんな結果が出たかと言いますと、まずは「認知タスク」の変化をグラフで見るとこんな感じ。





まぁわかりやすく右肩上がりになってまして、昼寝の時間を長くとるほど成績が良くなってますね。実は、他のポイントもグラフの変化はほぼ似たようなもんでして、疲労感にせよ、身体能力にせよ、ストレスレベルにせよ、45分の昼寝がもっとも効果が出てるんですよ。おもしろいもんですなぁ。


まぁそうはいっても、この研究にも弱点はありまして、

  • 昼寝の睡眠の質がどう影響するかはよくわからない
  • めちゃくちゃ短期の試験なので長期的にも同じような昼寝の効果があるのかは謎
  • 45分の昼寝が夜中の睡眠に悪影響を与える可能性はチェックされていない

といったところがありまして、そこらへんはようわからんとしか言いようがないところではあります。


とりあえず、現時点でこの実験から言えそうなのは、

  • 普通に前夜の睡眠が足りている人でも、45分の昼寝は脳と体にメリットをもたらす可能性がある

ということなので、ちょっと個人的にも2時からの昼寝を試してみようかなーとか思いました。45分ってのはなかなか長めの時間ですけど、いつもの瞑想時間とかをちょっと切り詰めればなんとかなるでしょう。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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