「バレない嘘をつくには、大量の真実のなかに少しだけの虚言を混ぜよ!」はどこまで正しいのか問題
「バレない嘘をつくには、大量の真実のなかに少しだけの虚言を混ぜよ!」とはよく聞く話。そりゃあ1から10まで作り話で押し切るよりは、ちょっとだけ嘘をついた方が楽ですもんね。
ということで、嘘に関するこのアドバイスがどこまで正しいのかを調べた研究(R)が出ておりました。
これはポーツマス大学の実験でして、平均年齢39歳の男女194人に、こんな質問をしたそうな。
- いままでの経験で、他人をどれだけうまくだますことができたか?
- 過去24時間のうちに何回ぐらい嘘をついたか?
- 具体的にどのような嘘をついたのか?
- 誰に嘘をついたのか?
- 対面で嘘をついたのか? それともメールか?
とにかく普段からどれだけ嘘をつき、それがどれぐらいの成功を収めているのかを調べたわけっすね。
その結果どんなことがわかったかと言いますと、
- 嘘をつくのが上手な人たちほど、真実に近いもっともらしい嘘を言いつつ、それ以上の情報を与えない戦略を使う
- 嘘がうまい人は主に対面時に嘘をつき、SNSなどではあまり嘘はつかない
- 「自分は嘘がうまい」と思っている人ほど、嘘をつく回数は多くなる
- 嘘をつくのが上手い人も下手な人も、「重要な情報を意図的に言わない」と言う戦略をもっとも多く使う
- 学歴と嘘のうまさには相関関係がない
- 男性は女性の2倍ぐらい「俺は嘘がうまい」と思っている
ということで、「大量の真実のなかに少しだけの虚言を混ぜる」戦略はやっぱり正しかったみたい。
研究チームいわく、
これまでの研究では、ほとんどの人が1日に2つの嘘をつくと言われてきたが、正確に言えば、ほとんどの人は毎日のように嘘をつくわけではないようだ。実際には、報告された嘘の大部分は、少数の「うそつき」によって占められていた。
具体的には、すべての嘘のほぼ半分(40%)が、ごく少数のうそつきによって語られており、これらの人々は、どれだけ自分に近しいい相手だろうが罪悪感なく嘘をつく。
このような「うそつき」は、言葉能力の高さに大きく依存しており、真実のなかに嘘を織り込むのがうまい。彼らに嘘をつかれた場合、それを見抜くのはかなり難しい作業だ。さらにこのタイプの「うそつき」は、一見シンプルで明確なストーリーの中に嘘を隠すことも非常にうまい。
とのこと。要するに、嘘がうまい人が言ってる事は大半が真実なので、そこに紛れ込んだちょっとだけの嘘を見抜くのはかなり難しいわけっすね。
しかも、そもそも人間は嘘を見抜くのが苦手な生き物でして、研究チームも、
先行研究によると、私たちは自分が考えているほどに嘘を見抜くのが得意ではない。誰かが私たちの目をごまかしているときに、うまくいく可能性はせいぜいフィフティフィフティだ。
と申しておられます。いちおう過去には「相手の嘘を見抜くのはムリだけど、相手の嘘を減らすことはできるかも?」や「人間がウソをつくときは言葉のチョイスが変わるかも?」みたいな話もありますんで、そこら辺を参考にするしかないのかもですなぁ。